振り返りと、次の会
教えることが、一番の復習になる。
会が終わったあと、次につながる振り返りは、どっちでしょう。
- A. 「よかったですか?」と、満足度を点数で集める
- B. 「一つだけ、次に変えるところ」を決めて、次の会の日付を置く
答えは、この話のいちばん下にあります。
感想の集め方・改善メモの作り方・「また来たくなる」次の会の設計まで、相棒と一緒に整えられるようになります。そして、教えることが一番の復習になる、という手ごたえを持って帰れます。
会は、終わったときが、いちばん熱いです。でも、その熱は放っておくと、次の日には冷めます。「楽しかったな」で終わってしまうと、次の会は、また一からになる。だから、熱いうちに、小さな振り返りを一つだけ残します。ここでも、大げさな反省会はいりません。ごろも、はじめての会のあと、うれしくて、ただ余韻にひたって終わりかけました。

振り返りは、三つだけです。ひとつ、感想の集め方。ここでも、聞くのは軽く。「今日、一回できましたか」「また来たいですか」の二つで十分です。点数でなく、来た人の一言があれば、それがいちばんの宝物になります。ふたつ、改善メモ。相棒に頼むのは、「次の会で、一つだけ変えるところ」。全部を直そうとすると、次が重くなって、ひらけなくなります。一つだけ。みっつ、次の会。「また来たくなる」いちばんの仕掛けは、終わったその場で、次の日付を置くことです。
そして、この編を締める気づきを、太字にします。教えることが、一番の復習になる。 会をひらくのは、人のためです。でも、いちばん学ぶのは、じつは教えたあなた自身です。人に伝えようとして、自分の分かっていなかったところが見え、うまく説明できたところは、自分の身に定着します。だから、次の会をひらくたびに、いちばん上手になっているのは、主催のあなたです。
会が終わって、ごろはまた布団に帰ります。でも、その布団は、前とは少しちがいます。外に、一緒にゴロゴロできる仲間が、増えたのです。
ごろは、こう頼みました。
「会が終わりました。感想の集め方(軽く二つだけ)、次の会で一つだけ変えるところ、次の会の案内の下書きを、まとめて用意してください。反省会にはしたくないです。次も、また来たくなる感じで。」
まとめが、すっと出てきました。ごろは満足しかけて、改善メモを見て手が止まります。相棒が、直すところを七つも並べていました。ごろは思います。「七つは、多い。次がしんどくなる」。いちばん効く一つだけを残して、あとは箱にしまいました。
全部直そうとしない。一つだけ。ごろは、会を続けるいちばんのコツを、最後の勝負で覚えました。
はじめの一歩- どこで: チャット画面で。会が終わって、余韻が熱いうちに。
- どうやって: 「感想は軽く二つ・改善は一つだけ・次の会の案内も」と、まとめて頼む。
- きっかけ: 会が終わった、その日のうちに。冷める前の一回が、次につながります。
はじめの一歩あせらず、ゴロゴロ。
会が終わりました。座布団の輪はまだそのまま。参加者は「楽しかった」「はじめて一人でできた」と言って帰っていきました。ごろは、うれしさの余韻の中にいます。手元には、こぼれた感想の紙きれと、会の最中に気づいた「次はこうしたい」のメモが、いくつか。
会が終わった手元
・参加者の一言(「はじめてできた」「また来たい」)
・自分が気づいた「次はこうしたい」メモ(いくつか)
やりたいこと
・感想を、軽くまとめる ・改善を一つだけ決める ・次の会を置く〈感想の集め方(軽く)〉
・今日、一回できましたか?(はい / もう少し)
・また来たいですか?(はい / いつか)
※一言あれば、それがいちばんの宝物です
〈次の会で変えるところ〉
1. 実演の時間をもう少し長く
2. 座布団の配置を変える
3. 飲み物を用意する
4. 開始時刻を遅らせる
5. 資料を配る
6. 休憩を入れる
7. 人数を増やす
〈次の会の案内(下書き)〉
「この前の会、楽しかったです。また、次をひらきます。
来た人も、今回はじめての人も、大歓迎です。」」
画面で見えること感想と案内はいい感じ。でも「変えるところ」が、七つもずらりと並んでいます。
ごろは、感想の集め方と次の案内には満足しました。でも、改善メモを見て、ため息が出ます。七つも直そうとしたら、次の会が、いまより重くなってしまう。
〈次の会で変えるところ(一つだけ)〉
・実演のあと、『一緒に見て回る』時間をもう少し長く。
(詰まった人を、もっとゆっくり見られるように)
〈また今度の箱〉
配置・飲み物・時刻・資料・休憩・人数 … 効きそうな順に、今度ひとつずつ。」
画面で見えること改善が一つだけになり、残りは「また今度の箱」に静かにしまわれました。次の会が、重くなりません。
最後に、次の会の日を、カレンダーに置きました。
次の会: 三週間後の日曜、同じ時間、同じ部屋
変えるところ: 一つだけ(見て回る時間を長く)
来る人: 今回の人 + はじめての人教えることが、一番の復習になる。 ごろは、七つの改善を一つに絞り、次の日付を置くことで、この会が「続く会」になる形を作りました。会が終わって布団に帰ったごろの外には、一緒にゴロゴロできる仲間が、増えていました。
この日はこう返ってきました。挙がる改善点や、次の案内の温度は、頼むたびにすこし変わります。
感想は、軽く二つだけ集める
こうした方がいい「一回できたか・また来たいか」で十分。点数はいらない
ごろはこうしてみた二つの質問と、一言の欄だけにした。
改善は、相棒に「一つだけ」と頼む
こうした方がいい全部直そうとすると、次が重くなる
ごろはこうしてみた七つから一つに絞った。
残りは「また今度の箱」にしまう
こうした方がいい捨てるのでなく、効く順に今度ひとつずつ
ごろはこうしてみた六つを箱に残した。
次の会の日付を、その場で置く
こうした方がいい「また来たくなる」いちばんの仕掛けは、次の日付
ごろはこうしてみた三週間後を、カレンダーに書いた。
次の案内を、熱いうちに下書きする
こうした方がいい余韻が冷める前に、次の呼びかけまで作る
ごろはこうしてみた会の当日のうちに案内を用意した。
「教えて分かったこと」を、自分用に一行残す
こうした方がいい教えることは、いちばんの復習。気づきを書き留める
ごろはこうしてみた「初めての人には、ここが見えないんだ」と一行メモした。
改善メモが「一つだけ」に絞れていて、カレンダーに次の会の日付が置けていれば成功です。感想の中に、来た人の一言が一つでもあれば、それがこの会の続く理由になります。
この章を出るときに、できること

この章で、ごろは「まねくゴロニャン」になりました。しゃべる側から、場をひらく側へ。配られる側から、配る側へ。舞台の拍手より、となりの座布団の「できた」を選べるようになりました。
章を出るときに、できることは三つです。
- 「今日のゴール」を一行で決めて、小さな会の計画を一枚に落とせる
- 案内・受付・リマインドを下ごしらえしながら、聞く情報を最小限にとどめられる
- 詰まった人に答えを言わず、一緒に画面を見て、本人の指で解いてもらえる
そして、この章がくれた、いちばん静かな気づきが一つ。教えることは、施しではなく、いちばん濃い復習だということ。人のためにひらいた場が、めぐって、あなた自身をいちばん育てます。会が終わって布団に帰るとき、外には、一緒にゴロゴロできる仲間が増えていて、あなたも、また少し上手になっています。
次の章では、ごろはついに、フォルダを会社に見立て、部下に名前をつけて、社長の座布団に座ります。招いた仲間との場が、こんどは自分の中の「組織」になっていく話です。
あせらず、ゴロゴロ。
答えタップして答え合わせ

B。 満足度の点数は、集めても次に変えにくいものです。
「一つだけ、次に変えるところ」を決めて、「次の会の日付」を置く。この二つがあれば、会は続きます。振り返りは、反省会ではなく、次の会への橋です。一つだけ直して、次の日を置く。それで十分です。
あなたの番3分そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。
読書会が終わりました。感想を軽く二つだけ集める形と、次回一つだけ変えるところ、次回の案内を。参加者の「印象に残った一言」を書ける欄も、ひとつ添えて。
オンライン勉強会のあとの振り返りを。「つなぎ方」で詰まった人が多かったので、そこだけ次回どう変えるか、一つの改善案として。反省会にはしないでください。
増補もっと知りたい人へ (3)
なぜ、改善は一つだけがいいのでしょうか。会が終わった直後は、気づきがたくさん出ます。あれもこうしたい、これも直したい、と七つも八つも浮かぶ。でも、それを全部やろうとすると、次の会は「宿題の山」になって、ひらくのが億劫になります。ひらくのが億劫になった会は、続きません。一つだけに絞るのは、手を抜くことではなく、次の会を軽く保つことです。残りは消えたわけではありません。「また今度の箱」に入れて、次の次、その次と、ひとつずつ出していけばいい。会は、一回で完成させるものではなく、少しずつ良くしていくものです。
もう一つ、残しておくと効くものがあります。自分がつまずいた場所の、しくじり帖です。「ここで、みんなの手が止まった」「この一言が、こわがらせてしまった」。会をひらくたびに気づいたそういうしくじりを、一言メモにして、次の会で一緒に手伝ってくれる人に配っておく。すると、その人は、ごろが前に転んだのと同じ石に、つまずかずに済みます。自分の転んだあとを地図にして渡す、というだけのことですが、これがあると、二人目、三人目の主催が、ぐっと楽になります。
そして、この編の締めくくりの気づきが「教えることが、一番の復習になる」です。会をひらく動機は、人のためだったはずです。ラクになる人を増やしたい、こわがっている人の背中を押したい。ところが、いざ教えてみると、いちばん学んでいるのが自分だと気づきます。人に説明しようとすると、自分が「なんとなく分かったつもり」だったところが、うまく言葉にならず、そこで初めて「分かっていなかった」と気づく。逆に、すらすら説明できたところは、教えた瞬間に、自分の身にしっかり定着します。ごろも、そうでした。教えてみたら、いちばん復習になっていたのは自分だった。それだけの話なのですが、これが、会をひらくいちばんの拾いものです。会が終わって布団に帰るとき、あなたの外には、一緒にゴロゴロできる仲間が増えていて、あなた自身も、静かに一段上手になっている。この静かな手ごたえが、次の会をひらく力になります。
読書会が終わりました。感想を軽く二つだけ集める形と、次回一つだけ変えるところ、次回の案内を。参加者の「印象に残った一言」を書ける欄も、ひとつ添えて。
オンライン勉強会のあとの振り返りを。「つなぎ方」で詰まった人が多かったので、そこだけ次回どう変えるか、一つの改善案として。反省会にはしないでください。
続けている会が、少しマンネリしてきました。「また来たくなる」ための小さな変化を、一つだけ提案してください。大がかりにしないのがいいです。
会に来てくれた人が、今度は自分でも小さな会をひらいてみたい、と言い出しました。その人に渡す「はじめの一歩メモ」を、この章の内容から一枚にまとめてください。
(医療者向け・ダミーデータ前提)院内勉強会の振り返りを。感想は軽く、改善は一つだけ。次回の案内も。扱った題材はすべて仮のダミーだった、と改めて一言そえる形で。
つまずき集- 症状: 振り返りが、重い反省会になる。原因: 直すところを全部あげている。一手: 改善は「一つだけ」に絞ります。ごろが七つを一つにしたのが、これです。残りは、また今度で。
- 症状: 「楽しかった」で終わって、次が続かない。原因: 次の日付を置いていない。一手: 会が終わったその場で、次の会の日をカレンダーに置きます。それが、いちばんの仕掛けです。
- 症状: 感想を集めるのが、大がかりになる。原因: 点数や項目を増やしている。一手: 「できたか・また来たいか」の二つと、一言の欄で十分です。集めすぎない、はここでも同じです。
- 症状: 会を重ねても、自分が成長している気がしない。原因: 「教えて分かったこと」を残していない。一手: 会ごとに、気づいたことを一行だけ書き留めます。教えることは、いちばんの復習です。
