10章 おでかけ編
10-2

家のパソコン、留守番中

選び直した相棒が、今朝の作業内容を覚えたまま返事をすれば、正しいかたまりです。

🧩 家のパソコンで、AIに資料の整理を頼んでいる途中で、出かけることになりました。カフェで続きが気になります。どちらが本当でしょう。

  • A 作業はパソコンの中の話だから、その机の前に戻らないと続きは絶対に見られない。
  • B カフェのスマホから、家でやっていた作業の続きをのぞいたり、追加で頼んだりできる。
この話を読むと

外出先のスマホから、家で進めていた作業の続きに頼めるようになります。

前の節は「話す」の話でした。ここからは一歩進んで、「家で進めていた作業そのもの」を外から触ります。これも、聞くと難しそうですが、やることは拍子抜けするほど単純です。むずかしい仕組みは、相棒があずかってくれています。あなたがやるのは、続きの一言を足すことだけです。

はじめに、一つだけ線を引きます。外から触れる「続き」には、二つの種類があります。

【会話の続き】…話した中身。claude.ai に同じアカウントでログインすれば、どこからでも開ける
【ファイルの続き】…作りかけの実物。共通の棚(10-3)に上げてあるものだけ、外から触れる

会話の続きは、ログインだけで開きます。ファイルの続きは、棚に上げてあるかどうかで決まる。この二つを混ぜないのが、この節の入り口です。

雨のカフェでスマホを持つごろと、家で三つの箱を仕分ける相棒が長い点線でつながる

作業のかたまりを、この本では「机」と呼んできました。写真を整理する机、書類を片づける机、という具合に。その机は、パソコンの中だけに置いてあるわけではありません。ブラウザから同じ机を開けます。机は持ち運べる、と思ってください。

外から開いたら、まずはのぞくだけでかまいません。何もいじらず、進み具合をながめるだけでも安心します。「あ、ちゃんと進んでる」がわかれば、それだけでコーヒーがおいしくなります。そして、気が向いたら続きを足せます。「さっきの資料、見出しも付けておいて」と一言。相棒はそこから続けてくれます。

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窓口は、机のアプリでも、スマホのアプリでも、ブラウザでもかまいません。入り口は違っても、話す相手と机は一つです。そして、ここでもあの黒い画面は出てきません。ブラウザから使うClaude Codeのようなツールも、ボタンと会話で進みます。ただし、この「続きを外から触る」の使い方は、10-3で紹介する共通の棚(クラウド上の置き場)を通じてファイルを共有しているときの話です。Web版のClaude Codeはローカルのファイルを直接触れない仕組みのため、棚がなければ「続き」にはつながりません。詳しくはこの章末のQRで確認できます。

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実演

ごろはカフェで、スマホから頼もうとしました。ところが最初、家で使っていた机とは別の、まっさらな窓口を開いてしまいます。「あれ、さっきの整理どこいった」とあわてました。消えてしまったのかと、しっぽの毛が少し逆立ちます。でも、落ち着いて一覧を見ると、ちゃんと元の机がそこにありました。正しいほうを選び直すと、続きが出てきます。「けさ頼んだ写真の整理、いまどこまで進んでる。終わってたら、フォルダ名を日本語にしておいて」。相棒が進み具合を報告し、続けてフォルダ名を整えました。カフェを出るころには、「もう片づいた」を受け取っています。開く場所を間違えただけで、消えたわけではありません。

はじめの一歩を三つ。

  • どこで。スマホのブラウザで claude.ai を開きます。パソコンで使っている同じアカウントでログインします。共通の棚を使って作業ファイルを共有しているときは、棚の保存先(クラウドストレージや claude.ai/code など)を状況に応じて開きます。
  • どうやって。一覧から、家で進めていた作業のかたまりを選びます。新しく作らず、すでにあるものを選ぶのがコツです。
  • きっかけ。出先で「あれ、どこまで進んだかな」と気になった時。まずはのぞくだけ。いじるのは慣れてからで十分です。

あせらず、ゴロゴロ。

実演

Web追補オンライン追補。Web版の開き方と、作業のかたまりの選び方の画面はこちら。

実録・やってみた

雨のカフェ。ごろのスマホには、けさ家のパソコンで頼んだ「写真の整理」がまだ途中のはず。困りごとは「進み具合が気になって、コーヒーの味がしない」でした。まず、スマホのブラウザで claude.ai を開きます。

ごろ
ごろが打った文(画面の下の「新しい会話」をうっかり押してしまう)写真の整理、どうなった?
相棒
相棒の返答写真の整理についてですね。どのフォルダの、どんな整理をご希望でしょうか。はじめから承りますので、進め方を教えてください。

画面で見えることまっさらな相棒。今朝の話をまるで知らない顔をしている。

ごろのしっぽの毛が、少し逆立ちます。「消えた?」と、ひやり。でも、これは消えたのではなく、別の入り口を開いただけでした。画面の一覧に戻って、今朝のかたまりを選び直します。

ごろ
ごろが打った文(一覧から「写真の整理」を選んで開き直す)けさ頼んだ写真の整理、いまどこまで進んでる。終わってたら、フォルダ名を日本語にしておいて
相棒
相棒の返答おかえりなさい。写真の整理は先ほど終わっています。撮影年ごとに4つのフォルダへ分け終えました。ご希望のとおり、フォルダ名を日本語に直します。 ・2023_summer → 2023年 夏 ・2024_trip → 2024年 旅行 (…この下に、残り2フォルダの日本語化の結果が続きます…) すべて日本語に変わりました。ほかに直す名前はありますか。

画面で見えること今朝の続きが、ちゃんとそこにいた。名前も日本語に変わっていく。

開いた場所を、前後で並べるとこうです。

【間違えて開いた入り口】新しい会話
  → 中身: からっぽ。今朝の記憶なし

【正しく開いた入り口】一覧の「写真の整理」
  → 中身: 4フォルダに整理済み
  → 追加でやったこと: フォルダ名を英語 → 日本語へ
    2023_summer → 2023年 夏 / 2024_trip → 2024年 旅行  …

この日はこう返ってきました。毎回すこし違います。消えたように見えても、たいていは開く場所を間違えただけです。

手順
  1. スマホのブラウザで claude.ai を開き、机と同じアカウントでログインする。

    こうした方がいい

    会話の続きだけならこれで足りる。ファイルの続きを触るなら10-3の共通の棚がいる、と先に線を引く。

    ごろはこうしてみた

    会話の一覧は同じアカウントですぐ出た。

  2. 新しい会話を作らず、一覧から今朝のかたまりを選ぶ。

    こうした方がいい

    迷ったら「作る」でなく「選ぶ」。新規を押すと今朝の記憶のない相棒が出てくるから。

    ごろはこうしてみた

    最初に新規を押して青くなった。一覧に戻ったら今朝の続きがあった。

  3. まずはのぞくだけにする。進み具合を一言たずねる。

    こうした方がいい

    いきなり直させず「いまどこまで?」から入ると、事故が起きても軽い。

    ごろはこうしてみた

    「どこまで進んだ?」と聞いたら、終わっていることが分かって安心した。

  4. 気が向いたら続きを足す。「〜しておいて」と一言。

    こうした方がいい

    続きは短い一言でいい。相棒が今朝の文脈を覚えているから、細かい説明はいらない。

    ごろはこうしてみた

    「フォルダ名を日本語に」だけで、そこから続けてくれた。

うまくいったかの確かめ方。選び直した相棒が、今朝の作業内容を覚えたまま返事をすれば、正しいかたまりです。「はじめまして」の返事なら、まだ別の入り口。あわてず一覧を上から見直せば、たいてい残っています。

答えタップして答え合わせ
ごろ

B。ただし「外から続きを触れる」かどうかは、作業ファイルをクラウド上の共通の棚に置いているかどうかで変わります。

会話の記録だけなら claude.ai にログインするだけでどこからでも開けます。ファイルの続きを触るには、10-3で紹介する共通の棚が必要です。また、Web版のClaude Code(claude.ai/code)はGitHubリポジトリをクラウド上で操作する入り口のため、手元のローカルファイルには直接触れません。家のパソコンがつきっぱなしである必要はありませんが、「どの入り口からでもローカルファイルを操作できる」わけではないので、確認してから使ってください。

増補もっと知りたい人へ (3)
深掘り

「話す」と「作業の続きを触る」は、似ているようで別の話です。話すだけなら、会話の記録が雲に置かれているので、どの窓口から入っても続きが出ます。ここは、ログインさえ同じなら迷いません。

ところが「作業そのもの」、つまりファイルの続きとなると、少し事情が変わります。ファイルがどこに置いてあるかで、外から触れるかどうかが決まるからです。家のパソコンの中だけにあるファイルは、原則、その机の前でしか触れません。外からも続きを触りたいなら、ファイルを「どの窓口からも見える場所」に置いておく必要があります。その置き場所が、次の10-3で出てくる共通の棚です。

Web版のClaude Code(claude.ai/code)が、雲の上の置き場を相手にする作りなのも同じ理由です。手元のパソコンの中を直接いじるのではなく、雲に上げておいたものを触ります。だから「棚に上げてあるもの」は外から続けられ、「机の中だけにあるもの」は続けられない。この線引きさえつかめば、10-3の話がすっと入ります。

例をもっと

のぞくだけ。「けさ頼んだ資料整理、いまどこまで進んでる。まだ途中なら、あと何が残ってるかだけ教えて」

続きを足す。「さっきまとめてもらった議事録に、決まったことと宿題を、それぞれ箇条書きで足しておいて」

方向を変える。「あの下書き、思ったより固い。もっとやわらかい言い方に、全体を直しておいて」

学びの続きを外で。「昨日つくった英単語の暗記リスト、今日は動詞だけを十個、例文つきで増やして」

医療者向け(ダミーデータ前提)。「架空の症例で作った勉強メモの続きです。鑑別の一覧に、見落としやすいものを二つ足して。実在の情報は含みません」

ごろつまずき集
  • 続きが見つからず、まっさらな画面が出る。原因は新しい窓口を開いてしまったこと。一手は、新規を作らず一覧から元のかたまりを選び直します。
  • 外から開いたのにファイルが触れない。原因はファイルが家のパソコンの中だけにあること。一手は、10-3の共通の棚に上げてから出かけます。
  • どのかたまりが今朝の続きか分からない。原因は名前が似ていて見分けにくいこと。一手は、次からかたまりに日付や用途の名前をつけておきます。
  • 消えたかと焦る。原因は場所違いを消失と勘違いしたこと。一手は、まず一覧を上から見直します。たいてい残っています。
あせらず、ゴロゴロ。
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