16章 中の機能図鑑
16章 中の機能図鑑
前の章でClaudeの家族を一覧しました。この章は、その家族たちが持っている「中の道具」を引くための資料室です。勉強会や教科書で「Claudeの中に、あれって何?」となったとき、パッと開いてください。ごろがふだん使っている道具を、いる人にだけいる、というつもりで正直にならべます。全部読まなくてかまいません。必要になったページだけ、そのとき開いてください。
ここは「知る」章です。押す・登録する・つなぐといった手つきは、第2篇の勝負帖でごろが実際にやってみせています。この章では「それが何のためにあるか」「どんな場面で効くか」だけを、寝ころんだまま眺められる形にしました。

あせらず、ゴロゴロ。
16-1 これは、なに?
Claudeと話す会話画面です。話しかけて、長い文章やファイルを渡して、返事をもらう。全部の入り口になる、いちばん広い玄関です。凝った道具はこの奥にありますが、多くの用は、この玄関先で足ります。
16-1 だれのための道具?
はじめてClaudeにさわる人全員です。逆に言うと、ここだけで用が足りてしまう人も多い。だから奥の部屋へ急いで行かなくて大丈夫です。要らない人には、奥の道具は要りません。
16-1 ごろはこう使う
長い文章や、読むのが面倒な1枚がある。そんな夜に、この玄関が効きます。手元の書類やスクショを1つ渡して「やさしく短くして」とだけ言えば、あとは返事を待つだけ。ごろはその待ち時間、布団の上で丸くなってゴロゴロしています。返事が来る頃には、面倒だった1枚が、ずいぶん軽くなっています。
16-1 はじめの一歩3点
- どこで: いつもの会話画面で
- どうやって: 手元の文章を1つ、そのまま見せる気持ちで
- きっかけ: 「長くて読むのが面倒な1枚」を1つだけ思い浮かべる

本編どこで使ったか: 第1篇 4-1「はじめの一言」。ファイルを見せて聞く場面は第2篇の勝負帖でもたびたび。
16-2 これは、なに?
会話の横に、できあがったものが「そのまま動く形」で出てくる小窓です。文章の説明だけでなく、ちょっとした道具や表そのものが、その場でさわれる状態で現れます。
16-2 だれのための道具?
「説明を読むより、動くものを見たい」人のための小窓です。文章の相談だけで足りる人には、出番がありません。それはそれで、まったく困りません。
16-2 ごろはこう使う
頭の中に「あったらいいな」が1つ浮かんだとき、この小窓が効きます。たとえば簡単な家計のメモ帳がほしい、と言えば、会話の横に数字を打ち込める道具がぽんと現れる。ごろは肉球で数字をひとつ入れて、ちゃんと動くのをたしかめて、満足してまたゴロゴロに戻ります。頭の中のふわっとした思いつきが、目の前で動くものになる。それを眺めるのが、地味に楽しいのです。
16-2 はじめの一歩3点
- どこで: 会話の返事の、すぐ隣に開く小窓で
- どうやって: 「動く〇〇がほしい」と、ふつうの言葉で
- きっかけ: 頭の中の「あったらいいな」を1つ、言葉にしてみる

本編どこで使ったか: 第2篇 勝負帖「その場で道具を作る」回。第1篇 4-2でも、遊びから入る最初の一歩として顔を出しています。
16-3 これは、なに?
話題ごとに仕切られた「部屋」です。同じ部屋に置いた資料や約束事を、Claudeがその部屋にいるあいだは覚えていてくれます。部屋が違えば、話も混ざりません。
16-3 だれのための道具?
いくつもの用事が頭の中で混ざって困っている人のための部屋です。今日は1つの話しかしない、という人には、まだ要りません。用事が2つ3つと増えてきた頃に、そっと効いてきます。
16-3 ごろはこう使う
たとえば「勉強会の準備」と「日記」が、ひとつの会話の中でぐちゃぐちゃになってくると、この部屋が効きます。用事ごとに部屋を分けておけば、次の日また同じ部屋に入るだけで、置いておいた資料はそのまま使える。続きの話が早い。混ざらない安心があるから、ごろは片方の部屋で心おきなく丸くなっていられます。散らからない、というのは、それだけでゴロゴロの質を上げてくれるのです。
16-3 はじめの一歩3点
- どこで: 会話とは別に用意された「部屋」の一覧で
- どうやって: いま抱えている用事を思い浮かべ、部屋を分ける気持ちで
- きっかけ: 頭の中でごちゃっとしている用事を、2つに分けてみる

本編どこで使ったか: 第2篇「散らからない置き場」の回。用事を分けて任せる考え方は第3篇17章の「プロジェクトの知識」ともつながります。
16-4 これは、なに?
「こういうときは、こうしてね」という自分ルールを、あらかじめ道具に持たせておく仕組みです。得意技をひとつ仕込んでおくと、毎回説明しなくても、同じ形に整いやすくなります。
16-4 だれのための道具?
同じ作業を何度もする人のための得意技です。一度きりの用事しかない人には、仕込む手間のほうが大きい。だから「あ、これ毎回同じことを頼んでいるな」と気づいてから、で十分です。
16-4 ごろはこう使う
「議事録は、決まったことだけを箇条書きに」といった自分の好みが、頼むたびに毎回説明するのが面倒になってくる。そのとき、この得意技が効きます。一度だけ形を教えておけば、次からは短い一言で同じ形に整う。教えるのは最初の1回きり。あとはごろが寝ていても、仕上がりはたいていそろってくれます。毎回おなじ形に整いやすい、というのが、この道具のいちばんのごちそうです。
16-4 はじめの一歩3点
- どこで: 設定(画面左下のアバターから Settings)の中の「Skills(スキル)」で
- どうやって: よくやる手順を、ひとつだけ言葉にして
- きっかけ: 「毎回同じ注文をしているな」という作業を1つ見つける
3分でできる得意技づくり: 設定の「Skills」を開き、新しい得意技を一つ作って「議事録を渡したら、決まったことと次にやることの二つに分けて箇条書きにする」とだけ書いて保存します。次の会話で入力欄の得意技の選択からそれを選び、短いメモを渡してみる。確かめ方は、毎回説明していないのに同じ二段の形で返ってくるか、です。形がそろえば、得意技が効いています。

本編どこで使ったか: 第1篇 4-5「得意技を仕込む」。その図鑑版が、このページです。
16-5 これは、なに?
Claudeを、手元で使っている別の道具、たとえば予定表やメモ帳などにつなぐ「口」です。つなぐと、Claudeがその道具の中身を見たり、書いたりできるようになります。
16-5 だれのための道具?
すでに別の道具に予定やメモをためている人のための口です。Claudeの中だけで話が完結している人には、まだ要りません。外に置いた自分の情報と、会話を橋渡ししたくなったときが、出番です。
16-5 ごろはこう使う
「来週の空いてる日は?」と聞きたいのに、いちいち予定表を自分で開いて確かめるのが面倒。そんなとき、この口が効きます。予定表につないでおけば、会話の中でそのまま「見て、教えて」が済む。口の裏側にはMCPという共通の作法があるらしいのですが、ごろはその名前を覚えていません。口をつなぐと外の道具と話が通じる、それだけ知っていれば、たいてい足ります。名前は、そのうち勝手に耳になじみます。
16-5 はじめの一歩3点
- どこで: 外の道具とつなぐ「口」をまとめた場所で
- どうやって: いちばんよく開く外の道具を、1つだけ思い浮かべて
- きっかけ: 予定表かメモ帳か、毎日ひらくものを1つ

本編どこで使ったか: 第2篇の道具箱編で、外の道具に橋をかける場面。つなぎ口の裏にあるMCPの話も、そこで少しだけ触れています。
16-6 これは、なに?
キーボードを打つ代わりに、声でClaudeに話しかける方法です。スマホアプリには、よく似た名前の2種類があります。一つは「ディクテーション」、もう一つは「ボイスモード」です。使える場面が少し違うので、ここで正直に並べておきます。
ディクテーションは、口で話した言葉をそのまま文字にして会話欄へ送る方法です。Claudeはその文字を読んで、ふつうに文章で返してくれます。日本語でも使えます。
ボイスモードは、Claudeと声でそのまま会話できる方法です。Claudeが声で返事をしてくれるぶん、より話し声に近い感覚があります。ただし2026年7月の時点では英語のみに対応していて、日本語での会話はまだできません。
16-6 だれのための道具?
打つのが遅い人、手がふさがっている人、そして布団から出たくない人のための組み合わせです。しっかり自分の指で打ちたい人は、無理に使わなくて大丈夫。合う人には、ゴロゴロ度がもう一段あがる道具です。
日本語で使いたい場合は、ディクテーションを選ぶと、たいてい文字がちゃんと入ります。ボイスモードで日本語が使えるかどうかは、将来変わることがあります。
16-6 ごろはこう使う
夜、布団にくるまっていて、頭には頼みたいことがあるのに、起き上がって打つのが面倒。この場面で、いちばん効きます。ねころんだまま「今日やることを3つにまとめて」とつぶやけば、その言葉が文字になって会話欄に入っていく。打たずに済むぶん、ゴロゴロしたまま用が片づきます。あくびまじりのひとことが仕事になる、というのは、ごろにとってほとんど理想の働き方です。
🧩 クイズ: ある夜、ごろが布団の中から声でつぶやいたのに、言葉がうまく届きませんでした。何が起きていて、どうすれば直るでしょう。
A マイクの許可が切れているだけなので、設定でオンにすれば済む B ボイスモードは日本語にまだ対応していないので、ディクテーションで声を文字にしてから送る
16-6 はじめの一歩3点
- どこで: スマホアプリの入力欄にあるマイクのアイコンで
- どうやって: 日本語で試したいならディクテーション、まず声でつぶやいてみる
- きっかけ: いちばん短い用事を、まず声でひとつ

本編どこで使ったか: コラム「ごろのデスク日記」の、打たずに話す回。合わせて読むと、なぜごろが声に頼るようになったのかが分かります。
16-7 これは、なに?
得意技・見張り役・外の道具とつなぐ口を、まとめて一度に入れられる詰め合わせパックです。道具を一つずつ自分で用意するのでなく、パックごと受け取ると、必要なものが一式そろいます。
16-7 だれのための道具?
道具を一つずつ入れるのが面倒になってきた人のためのパックです。「得意技もつなぎ口も試してみたいけれど、設定の画面をいくつも開くのはしんどい」と感じた頃に、そっと効いてきます。使い始めたばかりの人には、まだ要りません。まず素の相棒に慣れてから、というのが正直な順番です。
16-7 ごろはこう使う
ある日ごろは、得意技と見張り役とつなぎ口を、三回に分けて設定しました。それぞれの画面を開いて、登録して、確認して。三回でやっと一式そろった。疲れました。その後、同じ三つを1コマンドで入れられるパックがあると知り、試してみました。一回で同じ一式が入った。ごろは満足して、また布団に帰りました。ただし、その日から相棒の動き方がまとめて変わったので、思ってもみなかった挙動が少し出ました。詰め合わせは便利ですが、一度に変わる量が多い分、入れすぎると何が変わったか分かりにくくなります。ごろが「一度に一パックまで」と決めているのは、そのためです。
🧩 クイズ: プラグインを入れると、一度に変わるのはどれでしょう。
A 得意技だけ B 見張り役だけ C 複数の道具が一式まとめて
16-7 はじめの一歩3点
- どこで: 設定画面の「プラグイン」または「/plugin」の項目で
- どうやって: 入れたいパックの中身(何が入っているか)を先に確認してから
- きっかけ: 「同じ作業に使う道具を一式まとめて入れたい」と感じたとき
3分でできる中身の確認: 入れる前に、パックの説明欄を開いて三つだけ見ます。(1)得意技(Skills)がいくつ入っているか、(2)見張り役(勝手に止める仕掛け)が含まれるか、(3)外の道具とつなぐ口(コネクタ)があるか。判断は「この三つのうち、いま自分に要らないものが混じっていないか」の一点だけ。要らないものが多ければ、パックでなく個別に一つ入れるほうが安全です。確かめ方は、入れた直後に「今有効なプラグインを一覧で見せて」と聞いて、思っていた中身と合っているか照合すること。

本編どこで使ったか: この機能は図鑑エントリが初出です。得意技(16-4)・見張り役(B道具の引き出し)・コネクタ(16-5)を先に知っておくと、パックの中身が理解しやすくなります。
答えタップして答え合わせ

どちらも「あるある」です。
まずAのマイク許可をたしかめて、それでも通じなければBに切り替えてください。ボイスモードは2026年7月時点で英語のみ。ディクテーションは日本語で声を文字にしてくれるので、布団からでも用が足ります。
C。パックによって中身は違いますが、複数の機能が一度に入るのがプラグインの特徴です。
増補もっと知りたい人へ (22)
チャットの基礎が「玄関」である理由は、すべての情報を自然言語で受け取る設計にあります。ClaudeはPDF・画像・テキストを同じ窓口で受け取り、内容を理解して答えます。ファイルを渡すときに使うクリップのマークは、添付ファイルをClaudeが読めるかたちに変換する橋渡し役です。PDF1枚を貼って「ポイントを3つに」と言うだけで、Claudeは文章全体を読んでから答えを組み立てます。
長い文章を「そのまま貼る」で十分な理由は、コピーアンドペーストが既にデジタルデータとして送られているからです。見栄えを整えたり、書式を揃えたりしなくていい。雑に貼っても、内容をちゃんと読んでくれます。
玄関で用が足りる場面は、思いのほか多いです。「これを要約して」「この中に〇〇はあるか」「分かりにくい言葉をやさしくして」。この3パターンだけで、毎日の情報整理のかなりの部分がここで片づきます。
「このPDFを貼ります。読んで、初めて読む人に3行で説明してください」
「このメールをそのまま貼ります。返信文を書いてください。丁寧だけど短めで」
「このレシピを貼ります。家にある材料で何が作れるか教えてください。材料は: 卵、トマト、チーズ、玉ねぎ、小麦粉」
「この読書メモを貼ります。明日の勉強会で話せる話題を2つ出してください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「以下の架空の検査値(ダミーデータです)をテキストで貼ります。内科研修医の視点で、鑑別に挙げやすいものを3つ教えてください。患者情報は含まれていません」
つまずき集症状: ファイルを貼ったのに「読めなかった」と言われた。原因: ファイル形式が対応外か、スキャンPDF(画像として取り込んだだけのPDF)だった。一手: テキストをコピーしてそのまま貼り直す、またはOCRで文字起こしをしてから渡す。
症状: 「何でも聞いてください」と返ってきて、Claudeが何も答えていない気がした。原因: 問いかけが曖昧で、Claudeが何をすべきか判断できなかった。一手: 「やさしく要約して」「ポイントを3つ」など、してほしい作業を1つ明示して送り直す。
症状: 長い文章を貼ったら、返事が途中で切れた。原因: 返答が長くなりすぎた。一手: 「短く3行で」と長さを先に指定して聞き直す。一度に全部求めず、分けて聞くのも有効です。
Artifactsの設計思想は「見る」から「さわる」への切り替えです。文章で「グラフはこうなります」と説明するのではなく、実際に動くグラフをその場で出す。それだけで理解のスピードが変わります。
最初に出てくるものは、たいてい「ほぼ使える状態」です。計算機なら足し算と引き算が動く、家計メモなら項目を入力できる。完璧ではなくても、動く。この「まず動く形で見せる」がArtifactsの持ち味です。
「動く○○を作って」の○○には、かなり幅があります。HTMLで動くページ、表計算のシート、クイズ、タイマー、ミニゲーム、チェックリスト。技術的な知識は要りません。「こんなものがあったら便利なんだけど」という思いつきを素直に言葉にするだけです。ごろが計算機の次にシューティングゲームを作ってしまったのも、「遊んでいるうちにできた」という感覚がArtifactsにはあるからです。
「1週間の水分摂取量を入力して管理できるシンプルな表を作ってください」
「今月の食費・交通費・外食費を入力すると合計が出るメモ帳を作ってください」
「漢字の読み方クイズを作ってください。問題は5問、ボタンで答え合わせができるかたちで」
「毎朝のルーティン(起床・朝食・運動)をチェックするリストを作ってください。チェックするとグレーになるかたちで」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「架空の患者データ(名前は使わず「症例A/B/C」とします)を入力できる比較表を作ってください。列は年齢・主訴・検査値3つ・所見・対応の7列で」
つまずき集症状: 「動く〇〇を作って」と頼んだのに、文章の説明だけが返ってきた。原因: リクエストが曖昧で、Claudeが「動くもの」を求めていると判断しなかった。一手: 「HTMLで作ってください」「小窓に出してください」とかたちを明示して頼み直す。
症状: Artifactsの小窓が出てこない。原因: 使っている環境やプランによって表示されない場合があります。一手: パソコンのブラウザからclaude.aiを開いて試してみる。スマホアプリでは表示の仕方が違うことがあります。
症状: 作ってもらったものを修正したいが、何度直してもうまくいかない。原因: 「もっと大きく」「色を変えて」など指示が漠然としている。一手: 「見出しのフォントサイズを20pxにしてください」など、変えたい箇所と値を具体的に指定する。
Projectsの設計思想は「文脈の持続」です。ふつうの会話は、終わると記憶がリセットされます。Projectsはその制限を、部屋という単位で緩和しています。同じ部屋に入る限り、そこに置いた資料や取り決めをClaudeが保持してくれます。
もう一つの価値は「混ざらない」です。仕事の話をしているつもりが、前の会話のトーンが滲み出てくる。Claudeとの対話を続けていると、そういうことが起きやすくなります。部屋を分けると、その部屋のキャラクターが守られます。「勉強会の準備」の部屋では、そのトーンで話が続きます。
部屋に置けるものは、資料だけではありません。「この部屋では、常にです・ます調で返事してください」「略語は使わないでください」といった取り決めも置けます。これを「プロジェクト指示」と呼びます。部屋を作ったら、最初に1つ取り決めを書いておくと、その部屋の色が決まります。
(勉強会の部屋で)「先週渡した配布資料と、今日のメモを突き合わせて、まだ説明が足りない話題を3つ出してください」
(日記の部屋で)「今日も一言だけ残します: 午前中に論文を1本読んだ。これを100字の日記にしてください」
「この部屋は私の読書メモ専用にします。ここではいつも「著者の主張を一文で」と「自分の感想を一文で」の2行形式で整理してください」
(趣味の部屋で)「前回の会話でアドバイスをもらった練習メニューを貼ります。今週の成果を報告するので、次のステップを提案してください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「この部屋は架空の症例検討専用です。実患者の情報は含みません。資料を渡したら、教育的なコメントを追加してください」
つまずき集症状: 新しい会話を始めるたびに、前の資料を毎回貼り直している。原因: その会話がProjectの部屋の外で始まっている。一手: 部屋を作って資料を置き、必ず部屋の中から会話を始める習慣にする。
症状: 部屋に資料を置いたのに、Claudeが「その資料は見ていない」かのような返事をする。原因: 会話の流れの中で文脈が薄くなった可能性があります。一手: 「プロジェクトに置いた〇〇の資料を参照してください」と明示して確認する。
症状: 部屋を作りすぎて、どこに何を置いたか分からなくなった。原因: 部屋の数が増えると管理が煩雑になります。一手: 部屋の数は最初3つ以内から始める。増やすのは、明らかに混ぜたくない用事が増えてからでも遅くありません。
Skillsが「得意技」である理由は、会話の前に読み込まれる点にあります。会話が始まる前にClaudeが「今日はこの得意技を使う約束だ」と分かっている状態なので、毎回説明しなくていいのです。
以前は「Styles(スタイル)」という名前で呼ばれていました。2026年時点では「Skills(スキル)」に統合されています。古い情報で「スタイル機能が便利」と読んだことがある方は、同じものが名前を変えたと考えてください。
得意技に書けることは、大きく3種類あります。一つは「形の約束」(箇条書きで返す、100字以内でまとめる等)。もう一つは「立場の約束」(医師向けに説明する、子ども向けに言い換える等)。三つ目は「手順の約束」(まず結論、次に根拠、最後に例を出す等)。この3種類を組み合わせると、自分だけの得意技ができます。
得意技は会話ごとに「使う・使わない」を選べます。全部の会話に適用したいなら「Instructions for Claude」(設定の共通指示)を使う方が向いています。用途によって使い分けるとすっきりします。
(形の約束)「この得意技を使うとき、返事はいつも「結論→理由→例」の3段構成にしてください」
(立場の約束)「この得意技では、医療の専門用語を使わず、中学生に説明するつもりで言い換えてください」
(手順の約束)「会議のメモを渡したら、必ず「決まったこと」と「次にやること」の2つに分けて箇条書きにしてください」
「この得意技では、英語の文章を渡したら「和訳→ポイント2つ→一言コメント」の順で返してください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「架空の症例メモを渡したら「主訴・経過・鑑別3つ・方針」の4段で整理してください。患者情報は含みません」
つまずき集症状: 得意技を登録したのに、いつもの会話で反映されていない。原因: 会話を始める前に得意技を「選択」していないか、別のSkillが有効になっている。一手: 会話の入力欄にある「スキル」または「得意技」の選択を確認してから送る。
症状: 得意技に書いた約束を途中で無視された気がする。原因: 会話が長くなると、最初の約束が薄くなることがあります。一手: 「スキルに書いた形式で」と途中でリマインドを一言添える。
症状: 「旧Styles機能で作った設定」がどこにあるか分からなくなった。原因: UIが統合されて場所が変わっています。一手: 設定画面の「Skills」または「スキル」の項目を開いて確認してみてください。
コネクタの裏側にある「MCP(Model Context Protocol)」は、Anthropicが公開している共通のつなぎ方の作法です。名前は呪文のように聞こえますが、仕組みは電源コンセントに近いです。コンセントの形さえ合えば、メーカーが違っても同じ電気が使える。MCPはその「形の統一」をデータのやり取りに持ち込んだものです。
この作法が広がると、外の道具を作る側が「Claudeにつながる口」を標準で用意するようになります。そうなると、ユーザー側は特別な設定なしに「あの道具とつながりたい」が増えていきます。2026年時点では、カレンダー・メモ帳・表計算・メールなど、日常でよく使う道具が少しずつつながる相手として増えています。
コネクタを1つつなぐと何が変わるか。「今日の予定を見て、明日にずらせるものを提案して」という頼み方ができるようになります。Claudeが自分でカレンダーを開いて確かめ、答えを返してくる。この変化は、使ってみるとじわじわと効いてきます。
(カレンダーをつないだ後)「来週の空きを3つ教えてください。30分の打ち合わせに使えるところ」
(メモ帳をつないだ後)「先週書いたメモの中から、まだ手をつけていない話題を探してください」
(メールをつないだ後)「今日来た未読メールをざっと見て、今日中に返事が必要そうなものを3つ教えてください」
「毎朝、今日のカレンダーを見て、移動が多い日かどうかを一言で教えてください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「この文献管理ツールにつなぎました。先月追加した論文のうち、まだ読んでいないタグがついているものを一覧にしてください」
つまずき集症状: コネクタをつないだのに、Claudeが「カレンダーを見ることができません」と言う。原因: 接続の許可が途切れているか、再認証が必要な状態になっています。一手: 設定のコネクタ画面を開き、つながっているかどうかを確認して、接続し直す。
症状: 何の道具がつなげるか分からない。原因: 対応している道具の一覧は変わりやすく、使っているプランや地域によっても違います。一手: 設定のコネクタの項目を開くと、その時点でつなげる候補が並んでいます。まずそこを眺めてみるのが早いです。
症状: 外の道具の情報をClaudeが読んでいるのが少し怖い。原因: どこまでアクセスを許可したか不安に感じる場合があります。一手: つなぐときに「どの範囲を読む許可を与えるか」を選べます。「読む」だけにして「書く」許可は後から判断するのも一つの方法です。
音声入力には2つの道があります。一つは「ディクテーション」で、話した言葉を文字に変えて会話欄に入れる方法。日本語対応が確認されています。もう一つは「ボイスモード」で、Claudeと声のまま直接会話する方法。2026年7月時点では英語のみで、日本語での会話はできません。
この2つを混同すると、「やってみたら日本語が通じなかった」という経験につながります。日本語で使いたいならディクテーション、というのが今のところのシンプルな答えです。
ディクテーションはスマホアプリのマイクアイコン(入力欄の右側)から使えます。話し終えると文字に変わって会話欄に入る。録音したデータはその後すぐ削除されていて、Claudeの学習には使われません。
外部アプリ(Aqua VoiceやTypelessなど)を使う方法も別途あります。こちらはパソコンでの利用に向いていて、特定のキーを押している間だけ声を拾い、離すと文字になる設計です。両方試して合う方を選ぶので十分です。
(ディクテーションで)「今日あったことを一言だけ話します。これを日記の一行にしてください」
「今日のタスクリストを声で読み上げます。終わったら「完了」とつけて整理してください」
「今思っていることをそのまま話します。整理して、明日の朝やることを3つにしてください」
「今日の会議で出た話を口頭でまとめます。要点だけ箇条書きにしてください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「架空の症例の経過を口頭でメモします。患者情報は含みません。話し終えたら「主訴・経過・印象」の3段に整理してください」
つまずき集症状: 日本語でボイスモードを試したら、うまく会話できなかった。原因: 2026年7月時点でボイスモードは英語のみです。日本語のやりとりにはボイスモードではなくディクテーションを使ってください。
症状: マイクに話しかけたのに文字が入らない。原因: スマホのマイク許可がアプリに与えられていない可能性があります。一手: スマホの設定→アプリ→Claude→マイクの許可をオンにしてから試す。
症状: 声の認識がうまくいかず、変な文字になってしまう。原因: 周りの雑音が多いか、早口になっています。一手: 静かな場所でゆっくり話す。文字になった後に手で修正してから送るのも一つの使い方です。
プラグインの裏側は、得意技・見張り役・つなぎ口の組み合わせです。それぞれを個別に設定するのと、できあがりは同じ。ちがうのは、誰かが「よく使う組み合わせ」を先にまとめておいてくれた、という点です。
入れすぎると、何が変わったのか分かりにくくなります。デスク日記のD-7「引き算のゴロゴロ」でごろが気づいたのと同じで、詰め合わせは便利な分、相棒の動き方が一度にたくさん変わります。「あれ、こんな返し方をするようになったのはいつからだろう」と思ったとき、入れたパックを疑う習慣があると、原因を探しやすいです。
プラグインは「出す」こともできます。入れてみて合わなければ取り除ける設計です。だから、怖がらずに試せます。ただし「一度に一パックずつ試す」が、何かあったときに原因を特定するコツです。
「プラグインの一覧を見せてください。今使っている得意技と、どう組み合わせると便利になりますか」
「このパックを入れてみます。入れる前に、中身に何が含まれているか確認してください」
「プラグインを試してみたら、相棒の返し方が変わりました。原因はプラグインですか。確認してください」
「入れたプラグインを取り除きたいです。元の状態に戻してください」
(医療者向け・ダミーデータ前提)「論文要約用の得意技とつなぎ口が入ったパックがあれば確認したいです。実患者情報は含みません」
つまずき集症状: パックを入れたら、頼んでいないことを相棒がするようになった。原因: パックに含まれていた見張り役や得意技が有効になった。一手: 入れたパックの中身の一覧を確認し、変わってほしくない動きを個別に無効にする。
症状: 何を入れたか忘れて、今の設定が分からなくなった。原因: 一度に複数のパックを入れた。一手: 「今有効なプラグインを一覧で見せて」と聞き、使っていないものを取り除く。
症状: パックを取り除いたのに、動き方が戻らない。原因: 一部の得意技や設定が残った可能性があります。一手: 得意技と見張り役の設定画面を直接開いて、残ったものを確認する。
16章の7エントリは、講座1コマ(90分)にそのまま対応します。前半45分は16-1(玄関)・16-2(Artifacts)・16-3(Projects)を体験の順で流し、後半45分は16-4(Skills)・16-5(コネクタ)・16-6(音声)の応用3つを好みで選ぶ形にすると密度がちょうどよくなります。M3連載は各エントリを1本の動画(15分前後)に対応させると6本シリーズになります。日経メディカルのコラムは1エントリ1本換算で6本分の素材があります。勉強会は「玄関→Artifacts」の2エントリだけで10分ワーク2セットが組めます。
あせらず、ゴロゴロ。ここは全部読まなくていい資料室でした。次に「あれって何だっけ」となったとき、また同じページを開いてくれれば、それでうまくいきます。
