一週間を、書き出してみる
全部を渡さなくていい。渡せるものだけ、丸をつければいいのです。
🧩 自動にしやすいのは、次のどっちでしょう。
A「毎週月曜の朝、先週の売上メールを5通ひらいて、数字を1枚の表に写す」 B「取引先と会って、来期どうするか相談する」
自分の一週間から「毎回おなじことをしている雑用」を見つけられます。
自動化と聞くと、なんだかすごい仕組みを組む話に聞こえます。身構えますよね。でも、そんな大層な話ではありません。自動にできるのは、一週間の中にいくつも埋まっている、名前もついていない小さな雑用です。かっこよくないほうの話です。
だから、まず一週間ぶんを、ただ書き出します。月曜から日曜まで、パソコンの前でやったことを箇条書きにするだけ。頭の中だけだと、同じことを何度もやっているのに気づけません。外に出して、目で見えるようにします。
書き出したら、二種類に分けます。「毎回おなじ手順のもの」と、「その日その場で判断がいるもの」。数字を写すのは、いつ写しても手順が同じです。人と会って相談するのは、その日ごとに決めることが違います。前者は棚に載ります。後者は、自分の仕事のまま残します。

ここで大事なのは、「めんどくさい」と「むずかしい」を、ごっちゃにしないことです。めんどくさい仕事は、手順がおなじだから渡せます。むずかしい仕事は、その場で考えることがあるから、自分でやります。この二つを見分けられたら、この節は勝ちです。
ごろは、ここでいつもの失敗をやりました。一週間ぶんを書き出したら、なんだか楽しくなってきて、気合を入れて15個ぜんぶ渡そうとしたのです。返ってきたのは、こんな一言でした。「この3つ以外は、その日ごとに中身が違うので、手作業のままがおすすめです」。ごろ、渡しすぎて突き返される。でも、そのおかげで、ほんとうに渡せる三つが、くっきり見えました。全部を渡さなくていい。渡せるものだけ、丸をつければいいのです。
ごろは、一週間ぶんのパソコン仕事をメモに箇条書きして、そのまま相棒に貼りました。
「私の一週間のパソコン仕事を、これから箇条書きで貼るね。この中から『毎回おなじ手順で、判断がいらないもの』だけ選んで、理由を一言つけて」
すると相棒は、「先週の数字を表にまとめる」「読んだ記事のリンクを1か所に集める」といった繰り返し系だけを抜き出して、なぜ自動に向いているかを、一言ずつ添えて返してくれました。判断がいるものには、手を出しませんでした。
はじめの一歩- どこで: Claude Codeのデスクトップアプリで。黒い画面は、この章でもまだ出しません
- どうやって: 一週間ぶんのパソコン仕事をメモに箇条書きして、そのまま貼って「繰り返しだけ選んで」と頼む
- きっかけ: 今週いちばん「またこれか」と思った作業を、1行目に書くところから
全部を見つけなくていいんです。丸が3つ見つかれば、この勝負は勝ちです。
はじめの一歩あせらず、ゴロゴロ。
ごろは、一週間ぶんのパソコン仕事を、メモ帳に7行だけ書き出しました。立派に見せようとせず、やったことをそのまま並べただけです。
月 先週の売上メールを5通ひらいて数字を表に写す
月 取引先と会って来期の相談
火 読んだ記事のリンクを1か所に集める
水 先週の売上メールを5通ひらいて数字を表に写す
木 チームの相談にのる
金 先週の売上メールを5通ひらいて数字を表に写す
金 読んだ記事のリンクを1か所に集める画面で見えること同じ文の行が、色つきでまとまって浮かび上がる。
ごろは、この「何回あるか」の数え方が気に入りました。試しに、自分の手元でも数えてみます。
3 先週の売上メールを5通ひらいて数字を表に写す
2 読んだ記事のリンクを1か所に集める
1 取引先と会って来期の相談
1 チームの相談にのる上の2行が、週に3回と2回も出てくる雑用です。ここに、丸をつけます。ごろはここで、いつもの欲を出しました。「じゃあ下の2行も渡そう」。でも相棒は「その2つはその日ごとに中身が違うので、手作業のままがおすすめです」と、やんわり突き返してきました。渡せる丸は、はっきり2つ。無理に増やさなくていいのです。
丸がついたら、ごろはもう一往復だけしました。この先の棚に載せやすいように、渡せる雑用を小さな表にしてもらったのです。
作業名 いつ 手順
売上メール→表 毎週月 固定(5通ひらいて数字を写す)
記事リンク→1か所 随時 固定(読んだらリンクを集める)画面で見えること二つの雑用が、名前と手順のそろった表に化ける。
この表があると、次の節で棚に載せるとき、頼み言葉をほとんどそのまま書けます。ごろは「見つけるだけのつもりが、渡す下ごしらえまで進んじゃった」と、ちょっと得した顔をしました。
この日はこう数えてくれました。人や週によって、出てくる回数はすこし変わります。
一週間ぶんのパソコン仕事を、メモに1行ずつ書き出す
こうした方がいい立派な仕事でなく「またこれか」と思った雑用から書く
ごろはこうしてみた7行だけ、かっこよくない作業を並べた
そのメモを相棒にそのまま貼る
こうした方がいい「繰り返しだけ選んで」と、選ぶ基準を一言そえる
ごろはこうしてみた「何回あるかも数えて」と足したら、回数まで返ってきた
週に2回以上出てくる作業に、丸をつける
こうした方がいい回数が多い順に見ると、狙い目がすぐ分かる
ごろはこうしてみた週3回と週2回の2行に丸をつけた
判断がいる作業は、丸をつけずに残す
こうした方がいい「紙に手順を書いて渡せるか」で仕分ける
ごろはこうしてみた「相談」系は書けないので、そのまま手元に残した
丸をつけた作業が、どれも「やり方を紙に書いて人に渡せる」ものになっていれば成功です。丸が2つか3つ見つかっていれば、この節は勝ちです。
答えタップして答え合わせ

A。自動にできるのは、やり方が毎回おなじで、判断がいらない仕事です。
数字を写すのはいつも同じ手順なので棚に載ります。人と会って相談するのは、その場で決めることが違うので載りません。
あなたの番3分そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。
私の一週間のパソコン仕事をこれから箇条書きで貼ります。「毎回おなじ手順で、判断がいらないもの」だけ選んで、理由を一言ずつつけて。
この作業リストを、手順が固定のものと、その日ごとに中身が変わるものの二つに仕分けして。
増補もっと知りたい人へ (3)
なぜ「毎回おなじ手順のもの」だけが棚に載るのか。ここには理由があります。手順が毎回おなじということは、やることを言葉で書き切れる、ということです。「メールを5通ひらいて、数字を1枚の表に写す」。これは、そのまま指示書になります。指示書に書けるものは、渡せます。
いっぽう、その日その場で判断がいる仕事は、書き切れません。「取引先と、いい感じに相談する」の「いい感じ」は、相手の顔色や、その日の空気で変わります。書けないものは、渡せない。だから自分の手に残ります。この線引きは、後ろめたさとは無関係です。渡せないものを無理に渡すと、たいてい変なものが返ってきて、直す手間のほうが増えます。
見分けるコツは、頭の中で一度、他人にお願いする場面を思い浮かべてみることです。「これ、やり方を紙に書いて渡せる?」と自分に聞く。紙に書けるなら、丸。書こうとすると「その時々で」と手が止まるなら、それは自分の仕事です。書けるかどうかが、渡せるかどうかの分かれ目になります。
一週間から雑用を洗い出すとき、こんなふうに頼めます。題材は自分の生活に置き換えてください。
私の一週間のパソコン仕事をこれから箇条書きで貼ります。「毎回おなじ手順で、判断がいらないもの」だけ選んで、理由を一言ずつつけて。
この作業リストを、手順が固定のものと、その日ごとに中身が変わるものの二つに仕分けして。
家計まわりの毎月の作業を書き出します。この中で「毎月おなじやり方でできるもの」に印をつけて。
趣味のブログ更新でやっている作業を並べます。繰り返しになっている部分だけ抜き出して。
(医療者向け・ダミーデータ前提)院内の事務作業を箇条書きにします。個人が特定される情報は入れていません。この中で毎回手順がおなじものだけ選んで。
つまずき集- 症状: 何を書き出せばいいか分からず、手が止まる。原因: 「立派な仕事」を探している。一手: かっこよくない雑用こそ狙い目です。「またこれか」と思った作業を1行目に。
- 症状: 全部が「判断がいる」に見えてしまう。原因: ふだん無意識に手を動かしていて、手順として見えていない。一手: 実際にやった順番を、細かく口に出してもらうと、繰り返しの形が浮きます。
- 症状: 見つけた雑用を全部いっぺんに渡したくなる。原因: うれしくなって欲が出る。一手: この節は「見つける」まで。渡すのは次の節で、一つずつです。
