相棒が固まった・変な返事をした時
詰まりは、事故ではありません。会話の、やり直しです。
相棒が詰まっても、電源に手を伸ばさなくなります。
第2部の坂道も、あと一段です。この節では、初心者がいちばん脱落しやすい瞬間を先取りしておきます。それは、相棒が反応しない、あるいは、まるで見当違いのことをやり出したとき。ここでたいてい、人は「壊した!」と青ざめて、電源に手を伸ばしてしまいます。
でも、落ち着いてください。相棒が黙るのも、見当違いをするのも、こわれたのではありません。ほとんどの場合、ただ「うまく伝わらなかった」だけです。パソコンを疑う前に、頼み方をちょっと変えて、言い直す。これだけで、たいてい直ります。

やることは、順番に3つだけ。待つ、止める、言い直す。まず、少し待ってみる。相棒は、長い仕事だと考え込むことがあります。それでもおかしいと感じたら、作業を止める。止め方は、ひとつだけ覚えておけば十分です(細かい失敗の作法は、次の幕間C4でまとめてやります)。そして、言い直す。見当違いの返事は、頼み方を具体的にすれば、たいてい直ります。第1部の「いい感じにでは、いい感じにならない」を、思い出してください。

どうしても直らないときは、一人で抱えないでください。QRのオンライン追補「困った時の逆引き」に、症状から対処へ飛べる一覧があります。詰まったら、そこを開けばいい。詰まりは、事故ではありません。会話の、やり直しです。 そして、詰まって直せた回数の分だけ、あなたは上手くなります。だから、詰まるのを怖がらなくていいのです。
頼みごとをしたのに、相棒がずっと黙っている。あるいは、見当違いのことを始めた。まず、何をするのが正解でしょう。
- A 自分のパソコンが壊れたと思って、電源を切る
- B 一度止めて、もう一度ちがう言い方で頼み直す
反応がないときは、一度止めてから、こう言い直します。「さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて」。止めて言い直すと、相棒が動き出す。詰まりを、自分の力で抜けられた。この一段強い成功体験が、第3部で一人で任せていく自信になります。
- どこで: これまでと同じ作業机で。
- どうやって: わざと曖昧な頼み方をして相棒を困らせ、止めて → 言い直す、を一度、体験しておきます。
- きっかけ: 一度、自力で詰まりを抜けられたら、第3部で本格的に任せる準備は万全です。
あせらず、ゴロゴロ。
>ごろは、わざと曖昧な頼み方をして、相棒を困らせてみました。詰まりを、自分の力で抜ける練習です。机には、番号つきの「かいものメモ.txt」があります。
ごろが打った文: このメモ、いい感じにしといて。
相棒の返答: 承知しました。より見やすくなるよう、品物ごとに賞味期限とおすすめの保存方法を推測して追記し、カテゴリ分けもして…(と、頼んでいないことまで盛りだくさんに始めそうな返事)
画面で見えることごろが思っていたのと、まるで違う方向に進もうとしています。「いい感じに」がふわっとしすぎて、相棒が好きに解釈してしまったのです。
ここでごろは一瞬、「壊した!」と電源に手が伸びかけます。でも、思い直しました。これは故障ではなく、伝わらなかっただけ。順番に、待つ・止める・言い直す。まず作業を止めて、こんどは1つに絞って言い直します。
ごろが打った文: いまのはいったん止めて。やりたいのは1つだけ。「かいものメモ.txt」を、上から順に番号だけ付け直して。ほかは何もしないで。
相棒の返答: 承知しました。余計なことはせず、上から順に番号だけ付け直して保存しました。
現物を開くと、こうなっていました。
=== 言い直したあと: かいものメモ.txt ===
かいものメモ
1. 牛乳
2. 卵
3. パン詰まりは、事故ではなく、会話のやり直しです。 電源に手を伸ばさず、止めて、具体的に言い直す。これだけで抜けられました。この日はこう返ってきました。曖昧な頼みへの暴走の仕方は毎回すこし違いますが、「1つに絞って言い直す」で直るのは同じです。
相棒が固まったり見当違いをしたとき、自力で抜ける手順です。
まず、少し待ちます。
こうした方がいい長い仕事だと考え込んでいることがあるので、すぐ壊れたと決めつけません。
ごろはこうしてみた数秒待って、それでもおかしいと感じたら次に進みました。
おかしければ、作業を止めます。
こうした方がいい「止められる」と知っているだけで落ち着けます(細かい止め方は幕間C4)。
ごろはこうしてみた暴走しかけたので、いったん止めました。
やりたいことを1つに絞ります。
こうした方がいいあれもこれもでなく、この1回でやることを1つだけに削ります。
ごろはこうしてみた「番号だけ付け直す」の1つに絞りました。
具体的な言葉で言い直します。
こうした方がいい「いい感じに」をやめ、「上から順に番号だけ、ほかは何もしないで」と言い切ります。
ごろはこうしてみた具体的に言い直したら、素直に番号だけ付けてくれました。
それでも直らなければ、QRの「困った時の逆引き」を開きます。
こうした方がいい一人で抱え込まず、症状から対処へ飛べる一覧を頼ります。
ごろはこうしてみた今回は言い直しで直ったので、逆引きは開かずにすみました。
止めて具体的に言い直したあと、相棒が頼んだ1つだけをやっていれば成功です。電源に手を伸ばさず抜けられたら、その一段強い成功が、第3部で一人で任せる自信になります。
答えタップして答え合わせ

B。相棒が黙るのも見当違いも、こわれたのではなく「うまく伝わらなかった」だけのことがほとんどです。
パソコンを疑う前に、頼み方をちょっと変えて言い直す。これだけで、たいてい直ります。
あなたの番3分そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。
さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて。
いったん今のはやめて。「かいものメモ.txt」を、あいうえお順に並べ替えるだけにして。
増補もっと知りたい人へ (3)
相棒が黙るのには、いくつか理由があります。長い仕事だと考え込んで、少し時間がかかっているだけのことがあります。あるいは、頼み方があいまいで、何をすればいいのか決めきれずに止まっていることもあります。どちらも故障ではありません。だから、まず少し待つ。それでもおかしければ、止める。そして、言い直す。この順番を覚えておけば、電源に手を伸ばさずにすみます。
見当違いの返事も、同じ根っこから起きます。「いい感じにして」のようなふわっとした頼みは、相棒がどう解釈してもよくなり、あなたの思いと外れやすいのです。第1部の「いい感じにでは、いい感じにならない」は、ここでも生きています。詰まりは、事故ではなく、会話のやり直しです。 頼み方を具体的にして言い直せば、たいてい直ります。そして、詰まって自分で直せた回数の分だけ、あなたは上手くなります。だから、詰まるのを怖がらなくていいのです。どうしても直らないときは、QRの「困った時の逆引き」を開けば、症状から対処へ飛べます。一人で抱えないことも、上手な使い手の作法です。
反応がないときや見当違いのときの、言い直しの型です。まず止めてから、こう言い直します。
さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて。
いったん今のはやめて。「かいものメモ.txt」を、あいうえお順に並べ替えるだけにして。
さっきは伝わりにくかったみたい。やりたいのは、この1つだけ。日付を新しい順に並べて保存して。
(趣味で)さっきの続きはいったん止めて。「やまのぼり.txt」の、山の名前だけを一覧にして。
(医療者向け・ダミーデータで)いまの作業を止めて。架空の「れんしゅう症例.txt」を、日付順に並べるところだけやって。
つまずき集- 症状: 相棒がずっと黙っている。原因: 長い仕事で考え込んでいることがある。一手: まず少し待ちます。それでもおかしければ止めて、かんたんに言い直します。
- 症状: 見当違いのことを始めた。原因: 頼み方があいまいで、解釈が広がった。一手: やりたいことを1つに絞り、具体的な言葉で言い直します。
- 症状: 止め方が分からなくて焦る。原因: 止める操作をまだ知らない。一手: この節では「止められる」という安心だけ持っておけば十分です。細かい止め方は幕間C4でまとめて練習します。
- 症状: 何度言い直しても直らない。原因: 相性や環境のことがある。一手: 一人で抱えず、QRの「困った時の逆引き」で症状から対処へ飛びます。
