第2部 Claude Codeという相棒
2-7

相棒が固まった・変な返事をした時

詰まりは、事故ではありません。会話の、やり直しです。
この話を読むと

相棒が詰まっても、電源に手を伸ばさなくなります。

第2部の坂道も、あと一段です。この節では、初心者がいちばん脱落しやすい瞬間を先取りしておきます。それは、相棒が反応しない、あるいは、まるで見当違いのことをやり出したとき。ここでたいてい、人は「壊した!」と青ざめて、電源に手を伸ばしてしまいます。

でも、落ち着いてください。相棒が黙るのも、見当違いをするのも、こわれたのではありません。ほとんどの場合、ただ「うまく伝わらなかった」だけです。パソコンを疑う前に、頼み方をちょっと変えて、言い直す。これだけで、たいてい直ります。

止まった画面の電源へ伸ばしかけた手を戻し、ごろが短く書き直した依頼を差し出す

やることは、順番に3つだけ。待つ、止める、言い直す。まず、少し待ってみる。相棒は、長い仕事だと考え込むことがあります。それでもおかしいと感じたら、作業を止める。止め方は、ひとつだけ覚えておけば十分です(細かい失敗の作法は、次の幕間C4でまとめてやります)。そして、言い直す。見当違いの返事は、頼み方を具体的にすれば、たいてい直ります。第1部の「いい感じにでは、いい感じにならない」を、思い出してください。

ごろ図

どうしても直らないときは、一人で抱えないでください。QRのオンライン追補「困った時の逆引き」に、症状から対処へ飛べる一覧があります。詰まったら、そこを開けばいい。詰まりは、事故ではありません。会話の、やり直しです。 そして、詰まって直せた回数の分だけ、あなたは上手くなります。だから、詰まるのを怖がらなくていいのです。

開きのクイズ

頼みごとをしたのに、相棒がずっと黙っている。あるいは、見当違いのことを始めた。まず、何をするのが正解でしょう。

  • A 自分のパソコンが壊れたと思って、電源を切る
  • B 一度止めて、もう一度ちがう言い方で頼み直す

反応がないときは、一度止めてから、こう言い直します。「さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて」。止めて言い直すと、相棒が動き出す。詰まりを、自分の力で抜けられた。この一段強い成功体験が、第3部で一人で任せていく自信になります。

  • どこで: これまでと同じ作業机で。
  • どうやって: わざと曖昧な頼み方をして相棒を困らせ、止めて → 言い直す、を一度、体験しておきます。
  • きっかけ: 一度、自力で詰まりを抜けられたら、第3部で本格的に任せる準備は万全です。

あせらず、ゴロゴロ。

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実録・やってみた

ごろは、わざと曖昧な頼み方をして、相棒を困らせてみました。詰まりを、自分の力で抜ける練習です。机には、番号つきの「かいものメモ.txt」があります。

ごろが打った文: このメモ、いい感じにしといて。

相棒の返答: 承知しました。より見やすくなるよう、品物ごとに賞味期限とおすすめの保存方法を推測して追記し、カテゴリ分けもして…(と、頼んでいないことまで盛りだくさんに始めそうな返事)

画面で見えることごろが思っていたのと、まるで違う方向に進もうとしています。「いい感じに」がふわっとしすぎて、相棒が好きに解釈してしまったのです。

ここでごろは一瞬、「壊した!」と電源に手が伸びかけます。でも、思い直しました。これは故障ではなく、伝わらなかっただけ。順番に、待つ・止める・言い直す。まず作業を止めて、こんどは1つに絞って言い直します。

ごろが打った文: いまのはいったん止めて。やりたいのは1つだけ。「かいものメモ.txt」を、上から順に番号だけ付け直して。ほかは何もしないで。

相棒の返答: 承知しました。余計なことはせず、上から順に番号だけ付け直して保存しました。

現物を開くと、こうなっていました。

=== 言い直したあと: かいものメモ.txt ===
かいものメモ

1. 牛乳
2. 卵
3. パン

詰まりは、事故ではなく、会話のやり直しです。 電源に手を伸ばさず、止めて、具体的に言い直す。これだけで抜けられました。この日はこう返ってきました。曖昧な頼みへの暴走の仕方は毎回すこし違いますが、「1つに絞って言い直す」で直るのは同じです。

手順

相棒が固まったり見当違いをしたとき、自力で抜ける手順です。

  1. まず、少し待ちます。

    こうした方がいい

    長い仕事だと考え込んでいることがあるので、すぐ壊れたと決めつけません。

    ごろはこうしてみた

    数秒待って、それでもおかしいと感じたら次に進みました。

  2. おかしければ、作業を止めます。

    こうした方がいい

    「止められる」と知っているだけで落ち着けます(細かい止め方は幕間C4)。

    ごろはこうしてみた

    暴走しかけたので、いったん止めました。

  3. やりたいことを1つに絞ります。

    こうした方がいい

    あれもこれもでなく、この1回でやることを1つだけに削ります。

    ごろはこうしてみた

    「番号だけ付け直す」の1つに絞りました。

  4. 具体的な言葉で言い直します。

    こうした方がいい

    「いい感じに」をやめ、「上から順に番号だけ、ほかは何もしないで」と言い切ります。

    ごろはこうしてみた

    具体的に言い直したら、素直に番号だけ付けてくれました。

  5. それでも直らなければ、QRの「困った時の逆引き」を開きます。

    こうした方がいい

    一人で抱え込まず、症状から対処へ飛べる一覧を頼ります。

    ごろはこうしてみた

    今回は言い直しで直ったので、逆引きは開かずにすみました。

うまくいったかの確かめ方

止めて具体的に言い直したあと、相棒が頼んだ1つだけをやっていれば成功です。電源に手を伸ばさず抜けられたら、その一段強い成功が、第3部で一人で任せる自信になります。

答えタップして答え合わせ
ごろ

B。相棒が黙るのも見当違いも、こわれたのではなく「うまく伝わらなかった」だけのことがほとんどです。

パソコンを疑う前に、頼み方をちょっと変えて言い直す。これだけで、たいてい直ります。

ごろあなたの番3分

そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。

さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて。

いったん今のはやめて。「かいものメモ.txt」を、あいうえお順に並べ替えるだけにして。

増補もっと知りたい人へ (3)
深掘り

相棒が黙るのには、いくつか理由があります。長い仕事だと考え込んで、少し時間がかかっているだけのことがあります。あるいは、頼み方があいまいで、何をすればいいのか決めきれずに止まっていることもあります。どちらも故障ではありません。だから、まず少し待つ。それでもおかしければ、止める。そして、言い直す。この順番を覚えておけば、電源に手を伸ばさずにすみます。

見当違いの返事も、同じ根っこから起きます。「いい感じにして」のようなふわっとした頼みは、相棒がどう解釈してもよくなり、あなたの思いと外れやすいのです。第1部の「いい感じにでは、いい感じにならない」は、ここでも生きています。詰まりは、事故ではなく、会話のやり直しです。 頼み方を具体的にして言い直せば、たいてい直ります。そして、詰まって自分で直せた回数の分だけ、あなたは上手くなります。だから、詰まるのを怖がらなくていいのです。どうしても直らないときは、QRの「困った時の逆引き」を開けば、症状から対処へ飛べます。一人で抱えないことも、上手な使い手の作法です。

例をもっと

反応がないときや見当違いのときの、言い直しの型です。まず止めてから、こう言い直します。

さっきの頼みを、もっとかんたんに言い直します。作業机のメモを、上から順に番号だけ付けて。

いったん今のはやめて。「かいものメモ.txt」を、あいうえお順に並べ替えるだけにして。

さっきは伝わりにくかったみたい。やりたいのは、この1つだけ。日付を新しい順に並べて保存して。

(趣味で)さっきの続きはいったん止めて。「やまのぼり.txt」の、山の名前だけを一覧にして。

(医療者向け・ダミーデータで)いまの作業を止めて。架空の「れんしゅう症例.txt」を、日付順に並べるところだけやって。

ごろつまずき集
  • 症状: 相棒がずっと黙っている。原因: 長い仕事で考え込んでいることがある。一手: まず少し待ちます。それでもおかしければ止めて、かんたんに言い直します。
  • 症状: 見当違いのことを始めた。原因: 頼み方があいまいで、解釈が広がった。一手: やりたいことを1つに絞り、具体的な言葉で言い直します。
  • 症状: 止め方が分からなくて焦る。原因: 止める操作をまだ知らない。一手: この節では「止められる」という安心だけ持っておけば十分です。細かい止め方は幕間C4でまとめて練習します。
  • 症状: 何度言い直しても直らない。原因: 相性や環境のことがある。一手: 一人で抱えず、QRの「困った時の逆引き」で症状から対処へ飛びます。
あせらず、ゴロゴロ。
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