
あせらず、ゴロゴロ。章トビラ「全自動ゴロニャン」
前の章で、ごろの道具に玄関と鍵がつきました。ひらくところは開けて、渡さないところは自分で握る。その手のまま、今度は自分の一週間を、棚に載せにかかります。
ごろの机の上に、小さな棚が増えました。棚には「毎朝の下ごしらえ」「週末のまとめ」「月に一度の片づけ」と札が貼ってあります。ごろは仕事を一つずつ、その棚に載せていきます。載せ終えると、布団に戻って、横になって眺める側にまわります。

第5部で「毎朝ひとつ」を回せるようになったごろが、今度は一週間ぶんの雑用をぜんぶ棚に載せて、自分は横になる側にまわる。第一篇からの長い道のりの、最後の昇格です。

ごろは、めんどくさがりでした。この本のはじめから、ずっとそうでした。布団でゴロゴロして、「めんどくさい」と言いながら、そのめんどくささをAIに渡すことを、少しずつ覚えてきたのです。
でも、まだ毎朝ちょっとだけ、手を動かしていました。先週の数字を表にまとめる。読んだ記事のリンクを一か所に集める。ひとつひとつは小さいけれど、毎週おなじことを、ごろは律儀に繰り返していたのです。
第5部で、ごろは「毎朝ひとつ」を回せるようになりました。あれは、一つの雑用を自動にした話でした。この章は、その先です。一つできると、欲が出ます。だったら、二つ目も、三つ目も。気づけば、いくつもの雑用が机のまわりに散らばっています。そのバラバラを、棚にきちんと並べて、生活ごと預けてしまおう、という章です。
ある日、ごろは自分の一週間を、床いっぱいに広げてみました。月曜から日曜まで、パソコンの前でやったことを、ぜんぶ付箋に書いて。すると、おかしなことに気づきます。同じ形の付箋が、月曜にも水曜にも金曜にも、いくつも貼ってあるのです。

これ、毎回おなじことをしてるじゃないか。
あせらず、いきましょう。この章でごろがやるのは、大きな発明ではありません。名前もついていない小さな雑用を、決まった時間に、ひとりでに終わらせておく。それだけです。
あせらず、ゴロゴロ。