第4篇 ゴロニャン、家から出る
23章 帰宅編
ごろ
ごろあせらず、ゴロゴロ。
0/ 3話 読了

章トビラ

ごろ図(挿絵予定)夕暮れの帰り道。オレンジ色に染まった一本道を、ごろがてくてく歩いて帰ってくる。肩から下げたかばんは、朝より少しふくらんでいる。誰かに手を振られたのか、後ろを振り返って、ちょっと照れたように前を向き直す。道の先には、明かりのついた家の窓

認定の一言。外の仕事もいつもの型で棚に載り、ごろは自分の家へ帰っていきます。

ごろは、この篇のはじめに玄関を出ました。回るようになった者の、あの静かな渇き。「……暇だな」から始まって、外の仕事をひとつずつ覚えてきました。人前でしゃべり、場をひらき、フォルダの会社を持ち、部下に名前をつけた。ずいぶん遠くまで来たものです。

でも、この章でごろがすることは、たいそうなことではありません。外でやってきた仕事を、いつもの棚に載せ直す。任せていい範囲を、もう一度だけ確かめる。そして、家に帰る。それだけです。派手な勝負はもうありません。ここは、帰り道の章です。

外で少し違う呼ばれ方をされるようになっても、ごろはごろのままでした。夕方になると、やっぱり布団が恋しくなる。この章は、そんなごろの帰り道を、ゆっくり歩きます。

あせらず、ゴロゴロ。


この章の前に、ひとつだけ

ごろ図(挿絵予定)ごろが、玄関の前でかばんを下ろし、中から一枚だけ紙を取り出して、うんとうなずいてから、また戸を開ける。外の光と、家の中の明かりが、ちょうど半分ずつ、ごろを照らしている

帰り道の話に入る前に、ひとつだけ、先にお伝えしておきます。

この篇で、ごろは外の仕事をいくつも覚えました。けれど、外で覚えたことは、どれも家の中で覚えたことの続きでした。下見して、段取りして、任せて、確かめる。この本をここまで読んできたあなたが、すでに何度も通ってきた道です。外の仕事だからといって、新しい魔法が要るわけではありません。

だから、この章は「新しく何かを足す章」ではありません。むしろ、これまで身につけたものが、外でもちゃんと効いていた、と確かめる章です。荷ほどきの章、と言ってもいいかもしれません。

そしてもうひとつ。外の仕事ほど、最後のひと押しは自分の指でした。送信も、登壇のひと言も、会の締めも、相棒には触らせませんでした。この鍵は、この章でも変わりません。むしろ、外に出れば出るほど、この鍵が効いてくる。そこだけ、先に置いておきます。

それでは、帰りましょう。

あせらず、ゴロゴロ。


この章の話
  1. 23-1外の仕事も、棚に載る。下見して、段取りして、任せて、確かめる
  2. 23-2それでも、自分の指で。外に出るほど、最後は自分が決める
  3. 23-3布団へ、帰る。外に仲間がいて、家ではやっぱりごろ
最初の話へ23-1 外の仕事も、棚に載る。下見して、段取りして、任せて、確かめる