第1篇 ゴロニャン、目を覚ます
第4部 つくって、育てる
ごろ
ごろあせらず、ゴロゴロ。
0/ 6話 読了

章トビラ

机の隅を片づけるごろの横で、一匹の相棒が壁の三行の置き手紙を見てから静かに仕事を始める

任せる者から、育てる者へ。 ごろはついに、自分の相棒を「うちの子」と呼びはじめました。

前の部で、ごろは写真の山も書類の箱も相棒に任せ、「うっかり上書きしても戻せる」を覚えました。任せるのが、こわくなくなったのです。ところが、任せられるようになると、今度は別のことが気になりだしました。ごろは、ある夜ふと気づきます。相棒に向かって、また同じことを言っている。「です・ますで」「短くして」「むずかしい言葉は使わないで」。毎晩、毎晩、おなじ前置きです。

打ちながら、ちょっと脱力しました。これ、昨日も言ったな。おとといも言ったな。相棒はちゃんとやってくれるのですが、ごろのほうが毎回、自己紹介からやり直しているのです。まるで、毎朝おなじ人に「はじめまして」と名刺を渡しているみたいでした。

毎回おなじ自己紹介を打ち直し、脱力するごろ

めんどくさがりのごろにとって、これは見過ごせない話です。ここまで来て、ごろの中の名人が静かに目を覚まします。言わずに済むなら、言わずに済ませたい。

そこでごろは、一枚のメモを書いて、机の壁に貼りました。自分がどんな猫で、どんな言葉づかいが好きで、何をされたくないか。たった数行です。すると次の朝から、相棒はそのメモを先に読んでから仕事を始めるようになりました。前置きが、まるごと消えたのです。

自分の説明メモを机の壁に貼るごろ

道具は、使うだけのものではありませんでした。自分に合わせて、育てられる。ごろは、はじめて相棒のことを「うちの子」と思いました。

相棒を「うちの子」と愛おしく見つめるごろ

この部でやるのは、ぜんぶそういう話です。自分専用のドリルを作り、かんたんな道具を作ってもらい、できたものを直し、置き手紙で覚えさせ、得意技を仕込み、最後は合言葉ひとつで呼ぶ。むずかしそうな言葉が並びますが、中身はどれも素朴です。第4部は、この本のいちばん大事な合言葉、「方向を決めるのは自分、手を動かすのはAI」が、いちばん効くところでもあります。あせらず、ゴロゴロ。


この章の話
  1. 4-1自分専用のドリルを作る
  2. 4-2かんたんな道具を作ってもらう
  3. 4-3「ここをこう」の直し往復
  4. 4-4置き手紙で覚えさせる(CLAUDE.md)
  5. 4-5得意技を仕込む(Skills)
  6. 4-6合言葉で呼ぶ
最初の話へ4-1 自分専用のドリルを作る