書類フォルダを片づける
いきなり動かす前に、見せて・確認してを挟む。
この節は、相棒(第2部)が要ります。
書類の山を、事故なく片づけられるようになります。
前の節では写真を片づけました。今度は書類です。ここで一つ、大事な作法が増えます。いきなり動かす前に、見せて・確認してを挟む。 これだけで、事故がすっと消えます。
ダウンロードフォルダというのは、誰のパソコンでも一番散らかる場所です。「とりあえず、あとで」と思って落としたものが、あとで来ないまま溜まっていく。だからこそ、最初の練習にちょうどいい。失って本当に困る、この世に一つだけの物が、比較的少ない場所なのです。
やり方はこうです。まず「棚卸し」から始めます。動かす前に、相棒に「何が何個あるか」の一覧を作らせる。領収書が何個、スクショが何個、PDFが何個。いきなり片づけずに、まず地図を描かせるのです。地図ができてから、分け方を自分で決める。「領収書」「仕事」「スクショ」「あとで見る」の四つの箱、というふうに。この箱は、自分の暮らしに合わせて自由に変えていい。ここを相棒に丸投げすると、人によって基準がちがうので、かえって迷います。

最後に、忘れずに一枚もらっておきたいものがあります。「どのファイルを、どこに入れたか」の対応表です。これがあると、あとから「あの領収書どこ」と探すとき、表を見るだけで済みます。片づけたはずなのに見つからない、という新しい迷子を防げるのです。
スクショについては、欲張らないのがコツです。中身まで読ませて名前を付け直すこともできますが、まずは撮った日で分けるだけで、驚くほど見違えます。全部を一度に完璧にしようとしないでください。
◆ 実演
ごろは、まずこう打ちました。「ダウンロードフォルダの中身を、種類別に何が何個あるか一覧にして。まだ動かさないで」。相棒が表を見せてくれます。中身を確かめてから、ごろは続けます。「領収書・仕事・スクショ・あとで見る、の四つのフォルダに分けて。どれをどこに入れたか、対応表もちょうだい」。
相棒は分け方を提案し、ごろが「それでいこう」と承認してから、はじめて動きます。「対応表を作りました。判断に迷った八個は『あとで見る』に入れてあります」。今度は、書類が消えて青ざめることはありませんでした。
◆ はじめの一歩
- どこで: ダウンロードフォルダ。まずここが一番効きます。
- どうやって: 「動かす前に一覧を見せて」の一言を、必ず頭に付ける。
- きっかけ: 確定申告や年度末など「領収書を探す」用事が来る前の週末に。
急がなくていいのです。まず地図から。あせらず、ゴロゴロ。
ダウンロードフォルダに、領収書のPDF・スクショ・契約書・よく分からないファイルが、二百個たまっています。ごろが「いい感じに整理して」と頼んだら、相棒は張り切って、全部を勝手にあちこちへ動かしてしまいました。あとで「あの書類どこ行った」と、ごろは青ざめます。さて、次からどう頼めば安全でしょう。
- A 「整理して」と、もう一度、少し強めに頼む
- B 「まず中身を種類別に数えて、一覧を見せて。動かす前に、どう分けるか私に確認して」
ごろのダウンロードフォルダは、こんな有様でした。十二個、種類はバラバラです。
ダウンロード/
領収書_カフェ.pdf
領収書_書店.pdf
領収書_タクシー.pdf
契約書_賃貸更新.pdf
見積書_リフォーム.pdf
スクショ_地図.png
スクショ_予約画面.png
スクショ_エラー.png
セミナー資料.pdf
名称未設定.pdf
ダウンロード.pdf
setup_v2.dmg前に一度「いい感じに整理して」で痛い目を見ているので、今日は棚卸しから頼みます。
画面で見えることファイルは一つも動いておらず、種類ごとの個数だけが表になって出ている。
ごろは表を見て、箱を四つに決めました。ここは相棒に丸投げせず、自分で決めます。
画面で見えること対応表が一枚、どのファイルがどの箱に入ったか、行ごとに並んでいる。
もらった対応表は、こんな形でした。
領収書_カフェ.pdf -> 領収書/
領収書_書店.pdf -> 領収書/
領収書_タクシー.pdf -> 領収書/
契約書_賃貸更新.pdf -> 仕事/
見積書_リフォーム.pdf -> 仕事/
スクショ_地図.png -> スクショ/
名称未設定.pdf -> あとで見る/ (迷い)
ダウンロード.pdf -> あとで見る/ (迷い)今度は、書類が消えて青ざめることはありませんでした。棚卸しの表が先に出たので、動く前に全体が見えていたからです。この日はこう返ってきました。迷い箱に落ちるファイルは、毎回すこし違います。
まず「棚卸し」だけを頼む
こうした方がいい「まだ動かさないで」を付けると、地図ができるまで一つも動かない
ごろはこうしてみた十二個が種類別の表になって、一つも動かなかった
表を見て、箱を自分で決める
こうした方がいい分類は暮らしで変わるので、相棒に丸投げせず四つほどに自分で決める
ごろはこうしてみた領収書・仕事・スクショ・あとで見るの四つにした
迷い箱を先に指定する
こうした方がいい「迷ったものは動かさず○○へ」と逃げ場を作ると勝手に消えない
ごろはこうしてみた種類の読めない二個が「あとで見る」に収まった
対応表を必ずもらう
こうした方がいい「どのファイルをどこに入れたか対応表もちょうだい」を添えると後で探せる
ごろはこうしてみた一枚の表で、どこに何を入れたか全部たどれた
用途不明のファイルは触らせない
こうした方がいいインストーラや正体不明のものは「触らないで」と言うと安全
ごろはこうしてみた.dmg が元の場所に残った
二つです。一覧(棚卸しの表)が出るまで、ファイルが一つも動いていないこと。そして、片づけたあとに対応表が手元に一枚あること。この二つがそろっていれば成功です。
答えタップして答え合わせ

B
あなたの番3分そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。
デスクトップに散らばったファイルを、種類別に数えて。動かす前に、消してよさそうな重複ファイルがあれば、消さずに一覧で教えて。
(医療者向け・ダミーデータ前提)勉強会資料のダウンロードフォルダを棚卸しして。個人情報が含まれていそうなファイル名があれば、動かさず別に印を付けて。
増補もっと知りたい人へ (3)
なぜ「棚卸し」を先に挟むと、事故が消えるのでしょう。散らかったフォルダは、外から見ると全体像が分かりません。分からないまま「整理して」と頼むと、相棒は自分なりの基準で分け始めます。悪気はないのですが、その基準はあなたの頭の中とはたいてい違います。だから、後で「あの書類どこ」が起きるのです。棚卸しは、この食い違いを「動かす前」に見えるようにする一手です。まず「何が何個あるか」の一覧を出させると、あなたの側に地図が渡ります。地図を見て「この分け方でいこう」と決めるのは、あなたです。相棒は、あなたが決めた地図の通りに動くだけ。ここで大事なのは、分け方の決定権を自分に残すことです。片づけの基準は暮らしそのもので、人によって正解が違います。相棒に丸ごと預けると、他人の家の片づけ方で自分の部屋を整えられるようなもので、かえって迷子になります。棚卸し→自分で決める→相棒が実行、という三拍子は、この後の節でも形を変えて出てきます。見せてもらってから任せる、が任せ上手の背骨です。
ダウンロードフォルダの中身を、種類別に何が何個あるか一覧にして。まだ動かさないで。
この一覧を見て、私の分け方を提案してくれる? 「領収書・仕事・スクショ・あとで見る」で考えているけど、抜けがないか。
この四つのフォルダに分けて。どのファイルをどこに入れたか、対応表もちょうだい。判断に迷ったものは動かさず「あとで見る」に。
デスクトップに散らばったファイルを、種類別に数えて。動かす前に、消してよさそうな重複ファイルがあれば、消さずに一覧で教えて。
(医療者向け・ダミーデータ前提)勉強会資料のダウンロードフォルダを棚卸しして。個人情報が含まれていそうなファイル名があれば、動かさず別に印を付けて。
つまずき集- 症状: もう一度「整理して」と頼んだら、また勝手にあちこち動かされた。原因: 「動かす前に見せて」を付けていない。一手: 頼みの先頭に必ず「まず一覧を見せて、動かす前に確認して」を置く。
- 症状: 対応表が無くて、片づけたのに探せない。原因: 対応表を頼み忘れた。一手: 「どのファイルをどこに入れたか対応表もちょうだい」を毎回添える。
- 症状: 分け方が細かすぎて、箱が十個以上になった。原因: 相棒に分類を丸投げした。一手: 箱は自分で四つほどに決めて渡す。細分化は後からでもできます。
- 症状: 判断に迷ったファイルが勝手にどこかへ入っていた。原因: 迷い箱を指定していない。一手: 「迷ったものは『あとで見る』へ」と逃げ場を先に作っておく。
