自分専用のドリルを作る
私は、専門医試験でこれをやりました。
あなただけの弱点ドリルを作れるようになります。
「自分専用のドリル」なんて、なんだか大げさに聞こえます。教材づくりは先生の仕事で、自分がやることではない気がします。でも、ここでやるのは教材づくりではありません。「間違えた1問を、もう1問ください」と頼むだけです。名前が立派なだけで、やることは拍子抜けするほど素朴です。
ごろは最初、欲張りました。せっかくだから全範囲を一気にやり直そうと、分厚い問題集を頭から舐めはじめて、その晩どっと疲れて布団に沈みました。できるところを何度も解いて、ちょっと安心して、それで一日が終わってしまったのです。翌朝、こりずに机に向かったごろは、今度はやり方を変えます。全部ではなく、昨日間違えた1問の、すぐ近くだけ。すると、ふしぎと軽い。しかも、伸びる手ごたえがあります。

これが、育てるドリルの正体です。市販のドリルは、全員の平均に向けて作られています。全員が、同じ問題を解く。でも、あなたが落とすところは、あなただけのものです。テキストは全員に同じ、ドリルはあなただけ。それが作れる時代になりました。
やることは、たった3周のくり返しです。作る、解く、間違えたら似た問題をもう1問。この順番を先に頭へ入れておけば、途中で迷子になりません。
打ち込むのも、むずかしくありません。「この問題を間違えました。なぜ間違えたか、似た問題をもう1問」。これだけです。難しさも、言葉で動かせます。「もう少しやさしく」「本番っぽく」「引っかけを1つ入れて」。つまみを回すように、自分でちょうどよさを決められます。
そして、間違えた問題を1か所に貼っていくと、あなただけの弱点ノートが、放っておいても勝手に育ちます。できるところを何度もやる安心より、落としたところの近くを1問。それだけで、勉強の効きが変わります。
私は、専門医試験でこれをやりました。 小児科の専門医試験の勉強で、私は自分の弱点ログを作り、間違えた問題だけをAIに作り直してもらって回しました。全範囲を平らに舐めるより、落としたところの周りを1問ずつ潰すほうが、限られた時間で効いたのです。難しい試験ほど、「全員の平均」でなく「自分の穴」に時間を寄せると効く。これは、忙しい大人の勉強の、いちばんのコツでもあります。
資格の勉強で、テキストを一通りやり終えました。でも、点数が伸びません。次にやると効くのは、どっち?
A もう一度、最初のページから全部やり直す B 自分が間違えた問題だけを、AIに作り直してもらって解く
あなたが打つのは、こんな一文です。
「次の問題を間違えました。〈問題文と自分の答え〉。なぜ間違えたか説明して、同じ考え方を問う問題を、もう1問、少しやさしめで作って」
すると、まず誤答の理由を言葉にしてくれます。次に、同じ論点の別の問題が1問出てきます。解いて、答え合わせ。物足りなければ「もう1問」。テキストが、あなたに合わせて動くドリルに変わっていきます。
はじめの一歩- どこで デスクトップアプリの入力欄(黒い画面は触りません)
- どうやって ①間違えた問題を1問コピーして貼る ②「なぜ間違えたか+似た問題を1問」と足す ③出た問題を解く。これを3周
- きっかけ テキストを一周し終えて「点が伸びない」と感じたとき。模試で同じところを落としたとき
全部やり直さなくて、いいのです。落としたところの、すぐ近くだけ。あせらず、ゴロゴロ。
資格の勉強で、テキストを一周し終えたところです。模試を受けたら、血ガスの問題でまた同じところを落としました。手元には、間違えた問題のメモが1枚あるだけです。
画面で見えること誤答の理由が3行、続けて新しい練習問題が1問、出ています。
1回目は、少し欲張った頼み方をしてしまいました。
画面で見えることいきなり重い問題が5問。ごろは、1問目で早くも手が止まりました。
やり方を戻します。
画面で見えること目の前が1問だけになり、ごろの手が動き出しました。
解いていった問題は、フォルダに1枚ずつ貯めました。放っておいても、弱点ノートが育っていきます。
弱点ノート/(はじめは空)弱点ノート/
01_血ガス_代謝性アシドーシス.md
02_電解質_低ナトリウム.md
03_血ガス_代償の読み違い.mdこの日はこう返ってきました。値も言い回しも学習用の一例で、頼むたびに少しずつ違います。
間違えた問題を1問だけコピーして貼る
こうした方がいい自分の答えも一緒に貼ると、どこでつまずいたかまで拾ってくれます
ごろはこうしてみた問題文と「呼吸性アシドーシスと答えた」を貼ったら、代償の読み違いだと言い当ててくれました。
「なぜ間違えたか説明して」と足す
こうした方がいい答えだけでなく、読む順番(考え方の道すじ)まで頼むと次に効きます
ごろはこうしてみた「まずpHの向きから」という順番が言葉になり、同じ型のミスが減りました。
「同じ考え方で、もう1問」と頼む
こうした方がいい論点を1つに絞ると、狙ったところだけくり返せます
ごろはこうしてみた血ガスの1論点だけで数問くぐらせたら、手が慣れてきました。
難しさを1語で調整する
こうした方がいい「もう少しやさしく」「本番っぽく」と、つまみを回すように直します
ごろはこうしてみた「5問まとめて」で潰れかけ、「1問だけやさしめ」に戻したら続きました。
間違えた問題を1か所のフォルダに貯める
こうした方がいい1問1ファイルにしておくと、あとで弱点だけ見返せます
ごろはこうしてみた3枚たまった時点で、自分の穴が血ガスに寄っているのが一目で見えました。
うまくいったかの確かめ方: 目の前に「1問」だけが出ていて、解いた手ごたえがあれば成功です。逆に、いちどに何問も並んで手が止まったら、範囲が広すぎる合図。「昨日の1問の近くだけ」に戻します。
答えタップして答え合わせ

B
あなたの番3分そのまま使える文例です。コピーして、自分の言葉に少し変えて使ってみてください。
簿記の問題を間違えました。〈問題文と自分の答え〉。なぜ間違えたか説明して、同じ論点でもう1問、少しやさしめで作ってください。
英単語のこの使い分けを、いつも取り違えます。取り違えやすいペアを5組、例文つきで出して、最後に穴埋めクイズにしてください。
増補もっと知りたい人へ (3)
なぜ「間違えた1問の近く」が効くのでしょうか。人は、できるところを何度も解くと安心します。でも、その安心は、点数にはあまり返ってきません。伸びしろは、できないところの側に眠っているからです。市販のドリルは全員の平均に向けて作られているので、あなたがもう解ける問題も、まだ解けない問題も、同じ数だけ並んでいます。時間の多くが、すでに解ける問題に吸われていくのです。
AIを使うと、この配り方を、あなた専用に組み替えられます。間違えた1問を渡すと、その論点だけを狙って、似た問題をいくらでも作り足せます。同じ考え方を、少し形を変えて、何度もくぐらせる。心理学でいう「思い出す練習」に近い形です。読み返して分かった気になるより、いちど閉じて自力で思い出すほうが、記憶は定着しやすいことがくり返し確かめられています。ドリルは、その「思い出す」を強制的に作る装置です。テキストは全員に同じ、ドリルはあなただけ。この非対称が、限られた時間の効きを変えていきます。
簿記の問題を間違えました。〈問題文と自分の答え〉。なぜ間違えたか説明して、同じ論点でもう1問、少しやさしめで作ってください。
英単語のこの使い分けを、いつも取り違えます。取り違えやすいペアを5組、例文つきで出して、最後に穴埋めクイズにしてください。
子どもに算数を教えています。この文章題を間違えたので、数字だけ変えた似た問題を3問、答えは別にまとめて作ってください。
料理の分量計算がいつも合いません。4人分のレシピを2人分に直す練習問題を、答え合わせつきで5問ください。
(医療者向け・ダミーデータ前提)この検査値の解釈を間違えました。実在の患者情報は使わず、値だけを変えた練習ケースを3問、鑑別の考え方つきで作ってください。
つまずき集- 問題が難しすぎる/やさしすぎる。原因は難易度の指定がないこと。一手は「もう少しやさしく」「本番っぽく」と、つまみを回すように1語足すこと。
- 答えだけ出て、なぜ間違えたか分からない。原因は「解説して」を言い忘れていること。一手は「考え方を、途中の道すじも入れて説明して」と頼み直すこと。
- 同じような問題ばかり出てくる。原因は論点が1つに寄っていること。一手は「今度は別の引っかけどころで」と、ずらす方向を言葉で指定すること。
- 3周する前に、量に負けて疲れる。原因は一度に全範囲へ手を出していること。一手は「今日は昨日の1問の近くだけ」と、範囲を1問に絞ること。
