付録 引く章
A-3

困った時の逆引き

症状さえ言えれば、原因の名前は要りません。

うまくいかないとき、まず自分の「症状」を探す。原因の名前は、知らなくていいです。

物事がうまく動かないとき、私たちはつい「何が悪いんだろう」と原因を探しにいきます。でも、原因の名前を知らなくても、なおせます。大事なのは「いま何が起きているか」、つまり症状のほう。病院で、患者さんが病名を言えなくても、困っていることを言えば診てもらえるのと、同じです。

だからこの索引は、症状で引きます。「返事がぼんやりしている」「途中で止めたい」。自分の困りごとに近い言葉を探して、その隣の「まず試すこと」を、一つだけやってみてください。

白衣のないごろが聴診器を端末へ当て、疑問符を一緒にのぞき込む

アカウントが作れない(確認メールが来ない)

まず、迷惑メールのフォルダを見る。たいてい、そこに紛れています。(1-1へ)

ログインできない

パスワードを、いったん再設定する。(1-1へ)

どの入り口を選べばいいかわからない

まずは、Webから。何も入れずに始められます。(A-2 / 2-2へ)

入れようとしたら、許可を聞かれて止まった

それは用心して聞いているだけ。許可して進める。(2-3へ)

返事がぼんやりしている

具体で頼み直す。(1-2へ)

見当違いの答えが返る

前提と、例を足す。(1-6へ)

途中で、話がずれていく

いったんリセットして、頼み直す。(1-6へ)

日本語がおかしい、不自然

「ですます、やさしく」と足す。(4-3へ)

嘘っぽい、自信満々だが怪しい

鵜呑みにしない。裏を取る。(幕間C1へ)

フォルダのファイルを、読んでくれない

作業机を、一つに決める。(2-4へ)

画像・PDFを、見てくれない

貼り方を確認する。(1-5へ)

名前の付け替えが、めちゃくちゃになった

元に戻す。(3-5へ)

どこに何を保存したか、わからなくなった

一覧を作らせる。(3-2へ)

>

コードが画面に出てきて、怖くなった

受け取るだけでいい。読まなくて大丈夫。(2-6へ)

消される、送られるのが怖い

削除・送信は、確認の側に置く。(3-6へ)

途中で止めたい

止める、戻す。(幕間C4へ)

やりすぎて、疲れてきた

確認の頻度を、自分で決める。(5-4へ)

大事な情報を、入れてしまった

これからは、最初はダミーで練習する。(幕間C2へ)

引き方の実演を、一つ。「返事がぼんやりしている」で困ったとします。症状の欄からそれを見つけて、「具体で頼み直す」を読み、1-2へ戻る。頼み方を、こう変えます。

  • 前 「旅行の計画たてて」
  • 後 「来週末の2泊3日、京都、大人2人、寺と甘味中心、予算ひとり3万円で計画して」

これだけで、返事が変わります。症状さえ言えれば、原因の名前は要りません。

はじめの一歩3点。どこで、本文の各節末「うまくいかないときは→A-3」から。どうやって、自分の症状の言葉で探す。きっかけは、手が止まったら、まずここを開いて「症状→まず試す一手」だけやること。

あせらず、ゴロゴロ。

増補もっと知りたい人へ (3)
深掘り

「症状で引く」という設計は、医療の診察に似ています。患者さんは「急性胃腸炎です」とは言いません。「お腹が痛い、吐き気がする」と言います。原因の名前は、診た後でわかるものです。AIのトラブルも同じで、「コンテキストウィンドウが溢れました」とは出てきません。「途中で話がずれていく」と感じるだけです。

この索引が「症状の言葉」で引けるのは、そのためです。原因の名前を知らなくても、困りごとの言葉は誰でも持っています。

もう一つ補足すると、この索引に載っていない症状も出てきます。そのときは、症状をそのまま相棒に伝えてみてください。「こういうことが起きているんですが、どうしたらいいですか」と打つと、たいてい何か手がかりを返してくれます。AIは相談相手でもあります。

例をもっと

「途中から返事の日本語が不自然になってきました。何が起きていますか。直すにはどうしたらいいですか」

「ファイルを整理しようとしたら、まったく違うファイルの名前が変わっていました。元に戻す方法を教えてください」

「AIが自信満々に答えてくれたのですが、本当かどうか心配です。確認する方法を教えてください」

「電子カルテの説明文書(ダミーデータで試します)を貼ったら、読んでくれませんでした。貼り方が悪いのでしょうか」

「返事がとても長くなってしまいます。短くまとめてもらうにはどう頼めばいいですか」

ごろつまずき集

症状: 索引を見たが、自分の困りごとにぴったりの言葉が見つからなかった。 原因: 困りごとの言葉は人によって違います。この索引は18症状しか載っていません。 一手: 一番近そうな症状を選んで「まず試す一手」だけやってみてください。的外れでも、次の手がかりが見えることが多いです。

症状: 「まず試す一手」をやったが、直らなかった。 原因: 一手は「最初に試す」もので、必ず直るとは限りません。 一手: 節番号に戻ってもう少し詳しく読むか、症状をそのまま相棒に伝えてみてください。

症状: 「元に戻す」をやったつもりだが、どこまで戻ったかわからない。 原因: 何段階も戻ってしまうと、自分が今どこにいるかわからなくなることがあります。 一手: 「今の状態を教えてください。どこまで戻りましたか」と相棒に聞くと、現状を説明してくれます。

症状: 怖くて何もできなくなってしまった。 原因: 失敗が続くと、手を止めたくなるのは自然なことです。 一手: フォルダを新しく作って、そこだけで練習してみてください。元のファイルには触れないので、何をしても安全です。

あせらず、ゴロゴロ。
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